オペレーター
プロ野球のドラフトは長期にわたるチームの浮沈に大きくかかわるイベントです。この記事は2013年度ドラフトについての記事ですが、後に広島カープが2016・2017・2018と3連覇、西武ライオンズが2018・2019と連覇する礎となったドラフトでもあります
もくじ
投手と捕手が注目を集めた2013年のドラフト
目玉は松井裕樹も、根強い”即戦力投手”信仰
オペレーター
ドラフトにおける指名選手の人気としては、松井裕樹が目玉でした。それ以外では俗に言う”即戦力投手”が人気を集めました
<即戦力投手人気三羽烏>
大瀬良大地 | 九州共立大学 |
---|---|
石川歩 | 東京ガス |
吉田一将 | JR東日本 |
オペレーター
実際の入札でも松井裕樹に5球団、上記”即戦力投手”三羽烏に計6球団が入札しました
選手の活躍度(一軍での実績)に基づいて階級分け
風雅
なるべく機械的に採点をしたいと思います。プロでの実績が7年ある選手たちですので、複数年の実績で評価しました
ランク付け凡例(主要3部門:打率・本塁打・打点、防御率・最多勝・セーブ王)
超S級 球界を代表する選手 | 主要3部門のタイトルホルダーorベストナインor最優秀中継ぎ投手 を2シーズン以上 |
---|---|
S級 準球界を代表する選手 | 打率・防御率の10位以内orホールドポイント・本塁打・打点・最多勝・セーブ王3位以内 を2シーズン以上orベストナイン1シーズン以上 |
A級 (一軍の主力選手) | シーズン規定投球回数8割以上or規定打席数8割以上or 登板試合数3割以上を2シーズン以上 |
B級 (たまに一軍で使われる) | シーズン投球回数30回以上or打席数60以上 を2シーズン以上 |
C級 (戦力になっていない) | 支配下。シーズン投球回数30回以上or打席数60以上が2シーズン未満 |
D級 (育成契約) | 育成 |
戦力外 (退団) | 戦力外 |
各球団のドラフトの評価なので、
退団後、他球団と契約できた場合も”ドラフト評価上”は「戦力外」とします。
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捕手争奪戦だったドラフト
オペレーター
2013年のドラフトは、捕手不足のプロ球界に、捕手豊作のドラフトと言われました。実際に3位指名までに捕手を指名した球団は半分以上の7球団に上りました
巨人 | 小林誠司(1位) |
---|---|
西武 | 森友哉(1位) |
楽天 | 内田靖人(2位) |
ロッテ | 吉田裕太(2位) |
中日 | 桂依央利(3位) |
DeNA | 嶺井博希(3位) |
オリックス | 若月健矢(3位) |
風雅
活躍の度合いはそれぞれですが、戦力外になった選手が誰もいないですね。ただ、この活躍度の違いは、後のペナントレースに大きな影響がありました
当時のドラフト評価
オペレーター
当時のドラフトの評価です。検索で上位に来たものをピックアップしていますので、他意はございません
風雅
上位指名候補なのに下位で指名された選手や、逆に前評判より高い評価で指名された選手が紹介されていたりして、中々読み応えのある記事です。各スポーツマスコミが殆どスルーしていた、森唯斗(ソフトバンク2位指名)を高く評価していたりして流石の慧眼という所もあります
ひとみん
上位指名候補なのに下位で指名された選手や、逆に前評判より高い評価で指名された選手で、両方に阪神がいる
風雅
それについては別記事でも解説しています
【プロ野球ドラフト会議2020】阪神の指名選手を大胆予想阪神タイガースの2020年ドラフトを予想します。過去12年間のドラフトを振り返り、良い点悪い点を踏まえ、今年の戦略を予想しています。...
風雅
簡単に言うと、横田慎太郎の2位は「2位は高校生」という当時の阪神が使っていたテンプレの影響です。一二三⇒歳内⇒北條ときて、この年が最後だったと思います。梅野の4位は残り物戦術ですね。上位候補を下位で指名できれば、何となく上手くやったように周りが評価してくれるという錯覚を利用したものです。本当に評価しているのなら他球団に指名されてしまうリスクを冒してまでそんな事(下位で指名)しません
指名選手の実績
読売ジャイアンツ、阪神タイガース、広島カープ
順位 | 読売ジャイアンツ | 阪神タイガース | 広島カープ |
1位 | 小林誠司 | 岩貞祐太 | 大瀬良大地 |
2位 | 和田恋 | 横田慎太郎 | 九里亜蓮 |
3位 | 田口麗斗 | 陽川尚将 | 田中広輔 |
4位 | 奥村展征 | 梅野隆太郎 | 西原圭大 |
5位 | 平良拳太郎 | 山本翔也 | 中村祐太 |
6位 | 岩崎優 | ||
以下、育成 | |||
育1 | 青山誠 | ||
育2 | 長江翔太 | ||
育3 | 北之園隆生 |
中日ドラゴンズ、DeNAベイスターズ、ヤクルトスワローズ
順位 | 中日ドラゴンズ | DeNAベイスターズ | ヤクルトスワローズ |
1位 | 鈴木翔太 | 柿田裕太 | 杉浦稔大 |
2位 | 又吉克樹 | 平田真吾 | 西浦直亨 |
3位 | 桂依央利 | 嶺井博希 | 秋吉亮 |
4位 | 阿知羅拓馬 | 三上朋也 | 岩橋慶侍 |
5位 | 祖父江大輔 | 関根大気 | 児山祐斗 |
6位 | 藤澤拓斗 | 山下峻 | 藤井亮太 |
以下、育成 | |||
育1 | 砂田毅樹 | ||
育2 | 萬谷康平 |
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楽天、西武、ロッテ
順位 | 楽天 | 西武 | ロッテ |
1位 | 松井裕樹 | 森友哉 | 石川歩 |
2位 | 内田靖人 | 山川穂高 | 吉田裕太 |
3位 | 濱矢廣大 | 豊田拓矢 | 三木亮 |
4位 | 古川侑利 | 金子一輝 | 吉原正平 |
5位 | 西宮悠介 | 山口嵩之 | 井上晴哉 |
6位 | 横山貴明 | 岡田雅利 | 二木康太 |
7位 | 相原和友 | 福倉健太郎 | |
8位 | 相沢晋 | ||
9位 | 今野龍太 | ||
以下、育成 | |||
育1 | 肘井竜蔵 |
ソフトバンク、オリックス、日本ハム
順位 | ソフトバンク | オリックス | 日本ハム |
1位 | 加治屋蓮 | 吉田一将 | 渡邉諒 |
2位 | 森唯斗 | 東明大貴 | 浦野博司 |
3位 | 岡本健 | 若月健矢 | 岡大海 |
4位 | 上林誠知 | 園部聡 | 高梨裕稔 |
5位 | 吉田雄人 | 金平将至 | |
6位 | 奥浪鏡 | 白村明弘 | |
7位 | 柴田健斗 | 岸里亮佑 | |
8位 | 大山暁史 | 石川亮 | |
以下、育成 | |||
育1 | 石川柊太 | 東弘明 | |
育2 | 東方伸友 | ||
育3 | 曽根海成 | ||
育4 | 張本優大 |
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ドラフトの成功で連覇への道を築く
優勝に直結したドラフト
勝ち組条件、①超S級がいる、②S級が複数いる、③S級1名にA級が複数いる
勝ち組 | 西武、広島、ロッテ、ソフトバンク |
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オペレーター
事前の評価が高かったオリックスが入っていません
風雅
たまたまですね。オリックスはドラフトの抽選に異常に弱くて、この前は11連敗ぐらいしていたのですよ。なので、この年ぐらいから単独指名を狙うようになったのですが、後に吉田正や山岡をそれで確保しているので、悪い戦略ではありません。人の良し悪しに百発百中は無いので、均せば良い戦略だと思います
1回目入札で唯一野手に入札
円城寺
西武の良かった点はどこでしょうか?
風雅
他球団が全て投手に入札する中、唯一野手に入札した点が一つ。これはまさに「人の行く裏に道あり花の山」ですね。これで前出の”捕手争奪戦”の機先も制しました。一石二鳥ですね
それまでの布石が効いた広島
円城寺
では広島の良かった点はどこですか?
風雅
チームに不足していた部分を巧く補ったドラフトでした。本来ドラフトの上位指名選手って、不足していた部分を補うよりも、先ほどの西武のようにチームの核となる選手を優先した方がチーム作りの面では、成功する確率は高いのですが、広島の場合はそこはすでに出来上がっていた。例えばタナキクマルのうち、菊池と丸は既に在籍していた。主軸となる鈴木誠也も前年指名していた。チームに取って必要だけど足らないピースを埋めるドラフトだったと言えるでしょう。
円城寺
では広島の成功の秘訣と言うのは、それ以前のドラフトとも関係あると言う事ですね?
風雅
丸、菊池、鈴木誠也の共通点は、何れもカープ低迷期の二巡目の指名である事です。二巡目というのは成績の悪かったチームから優先的に指名できます。そこを目先の即戦力投手ではなく、将来チームの根幹となる様な選手の指名、つまり将来に投資した。そうして根幹が出来つつあるチームであれば、不足するピースを埋めるようなドラフトでも見事に嵌るという事でしょう
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