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平家物語

【考察】アニメ「平家物語」8話 「都落ち」ネタバレ感想レビュー 

オペレーター
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テレビアニメ「平家物語」第8話「都落ち」の考察です。清盛没後から、平家の都落ちまでが描かれました。北条政子が登場。木曾義仲も本格的に登場。また、ラストには謎の少女が登場します
円城寺
円城寺
平家を追い出されたびわの動向と、源平の争乱が並行して描かれますが、歴史的な推移を捕捉しながらレビューしたいと思います。尚、7話まで未登場の木曽義仲が前触れなく登場してきますし、清盛亡き後の平家の動向やなぜ北陸に追討軍として大軍を派遣したのか、なぜ総大将が維盛だったのか、など8話の前提となる事柄を8話予習編としてまとめました
維盛と義仲
【考察ネタバレ】アニメ「平家物語」8話予習編 平維盛と木曽義仲 テレビアニメ「平家物語」第8話の予習編です。8話で木曽義仲がいきなり登場したり、平家が北陸追討に大軍を派遣したりしますので、8話にすんなり入れるように、木曽義仲台頭の経緯や、東国の情勢、平家の事情などをまとめました...

年表で整理

平家は負けっ放しではない

オペレーター
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このエピソード前後の源平の争乱を年表で確認しましょう。1181. 3~1183. 7までが描かれました
  • STEP01
    1181. 1南都焼討
    大仏が焼かれる(平家勝利)
  • STEP02
    1181. 2平清盛・没
    びわ平家を追い出される
  • STEP03
    1181. 2城 資永
    木曾義仲攻め中止
  • STEP04
    1181. 3墨俣川の戦い
    平重衡・維盛軍が源行家軍を破る(平家勝利)
  • STEP05
    1181. 6横田河原の戦い
    木曾義仲、越後の平家軍を破り大勢力に(源氏勝利)
  • STEP06
    1181. 8養和の北陸出兵
    平家の北陸征討が失敗(源氏勝利)
  • STEP07
    1181.8~1182.4鎮西平定
    平貞能が1年がかりで九州の乱を鎮圧(平家勝利)
  • STEP08
    平家身動き取れず
  • STEP09
    1183. 4火打城の戦い
    平家が10万の大軍(総大将維盛)で北陸討伐へ。越前・加賀を奪い返す
  • STEP10
    1183. 5般若野の戦い
    平家の北陸遠征先遣隊と木曽義仲の先遣隊が越中で激突。敗れた平家は加賀と越中の国境で足踏み(源氏勝利)
  • STEP11
    1183. 5倶利伽羅峠の戦い
    狭い山で奇襲・夜襲を受け平家北陸遠征軍本隊が総崩れ。逃げ道なく地獄谷に転落して7万騎が壊滅(源氏勝利)
  • STEP12
    1183. 6篠原の戦い
    平家北陸遠征軍別動隊が木曾義仲軍に敗れる(源氏勝利)
  • STEP13
    1183. 7平家・都落ち
    後白河法皇が比叡山に逃亡。安徳天皇と三種の神器を持って平家都落ち
  • STEP14
    1183. 7木曾義仲が京に入る
    木曾義仲軍、統制なく京で狼藉を働く。京の治安は悪化
  • STEP15
    1184. 1木曾義仲が粟津で戦死
    木曾義仲、鎌倉の頼朝軍に敗れ討死
円城寺
円城寺
これで見ると、木曾義仲の輝いていた期間って1年ないんですね
ドロシー
ドロシー
入京してから、討ち死にまで半年だもんね

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びわ越後へ

オペレーター
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平家を出たびわは、祇王のところに寄りますが、既に祇王も仏御前も他界した後でした。そこで祇王の妹、祇女から母らしき女性の情報を得ます

越後に居るらしいという情報を得て、びわは越後を目指す

ひとみん
ひとみん
びわは、徳子も頼らずに、琵琶法師をして生計を立ててるんだね

墨俣川の戦い

オペレーター
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びわは、道中「墨俣川の戦い」に関する風聞を聴きます

「墨俣川の戦い」の概要

尾張・三河で独自の勢力を築いた源行家(頼朝の叔父:以仁王の挙兵の黒幕)が、平家打倒の挙兵をした軍と、それを討伐する平家軍(大将は平重衡)が美濃(今の岐阜県)で戦った。頼朝は異母弟の源義円を援軍として送っていた。

→ 平家軍の圧勝

頼朝の異母弟源義円が討ち死に。

負けてガックリする頼朝を北条政子が叱咤する

ドロシー
ドロシー
これは頼朝が弓矢(武士たち)に囲まれて、逃れられない・身動き取れないというメタファーかな
円城寺
円城寺
北条政子もイメージ通り”猛女”って感じでしたね
オペレーター
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年表にはありませんが、北条政子が、頼朝の愛人を襲わせた後妻打をしたのが、このあとの1182年11月です

また、源行家が鎌倉に逃げ込み、頼朝に助力を要請しますが、頼朝は拒否。源行家は木曽義仲を頼って信濃に逃げ延びます。

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木曾義仲起つ

平家打倒を決意

オペレーター
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木曾義仲が平家打倒を決意するシーンが描かれました

ハンモックで寝転ぶ義仲。野生や自由人ぶりを表現

木漏れ日から射す陽。義仲が陽の当たる場所に出る事を表わす

ドロシー
ドロシー
確かに歴史に残る陽の当たる場所に出る事になるけど、さっきも観た通り、歴史に登場するのはホンの一瞬よね
ひとみん
ひとみん
まさに「下天にくらべれば夢幻の如き」

びわ、再び京へ

オペレーター
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一方、越後に向ったびわは、そこで母親と思しき女性が再び京に向ったと聴きます

城資永の室であったが、城資永が没した為、京に舞い戻ったとの事

円城寺
円城寺
この城資永というのは、平家方で越後(今の新潟県)を支配していました。信濃(今の長野県)を支配した木曾義仲を討伐すべく、1万の兵を集めましたが、出陣間際に亡くなります
ひとみん
ひとみん
越後にいる城資永とびわのお母さんが、どうして知り合えたの?
風雅
風雅
城資永は、京で検非違使を務めていた事もあるのでその関係でしょうかね

城資永は、都にいた事もあり、清盛の信頼も厚かった

横田河原の戦い

オペレーター
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弟の城長茂が城資永の跡を継ぎ、兵4万(平家物語上の話:実際は1万と推定)で信濃に攻め込みます。迎え撃つ木曾義仲軍は3千騎です

この時、木曾義仲の別働隊は平家の赤旗で城軍の近くまで行き、近づいた後、源氏の白旗に持ち替えて、怒涛の攻撃をします。そのタイミングで木曾義仲の本軍も突進。城軍は混乱の中、敗走します。

円城寺
円城寺
木曾義仲は、越後まで追撃。城方は、離反が相次いで、城長茂は越後を落ち延びて、越後は労せずして木曾義仲傘下になります。そしてそれを見ていた北陸の武士たちも木曾義仲に与力するようになります

木曽義仲、一大勢力に!

オペレーター
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この後、飢饉もあり、源平の争乱は一旦落ち着きますが、1183年3月に頼朝が義仲をけん制。義仲が、長男を頼朝の元に預ける事で和議が成立します
ドロシー
ドロシー
源氏内部の主導権争いよね。先行きが想像できるわ

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命運を分けた北陸決戦

火打城の戦い

オペレーター
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飢饉の影響もようやく収まった、1183年 4月。平維盛を総大将とする、10万の大軍が源氏討伐を目指し京を出発します
ひとみん
ひとみん
10万もよく集まった
円城寺
円城寺
畿内や西国の反乱は表向きには鎮定できましたので、10万騎の大軍が編成できました

初戦は越前(福井県)の火打城。5000の兵で立て籠る源氏軍だが、平家の大軍に恐れをなした内通者が出て、あっさり平家方維盛軍の勝利。尚、この時、木曾義仲は越後にいた。

維盛率いる平家軍はこのまま加賀(石川県)を制圧、越中(富山県)との境にまで進出する。

般若野の戦い

<平家方維盛軍の思惑>

木曾義仲軍が親不知(越後・越中の国境)を超えて、越中に進軍する前に親不知(当時は寒原)に兵を派遣する。越中前司平盛俊に兵5,000を与えて先遣隊とする。

<木曾義仲の思惑>

平家より先に越中に入り迎え撃つ。今井兼平に6000の兵を与えて先遣隊とする。

円城寺
円城寺
で、早かったのは今井兼平で先に呉羽山に陣取ります

先を越された、平盛俊は般若野に陣取る。夕方、平家軍が動かないと見ると、今井兼平は、意表をつく夜襲を実行。平家軍は敗走して、加賀との国境の俱利伽羅峠まで後退する。木曾義仲本軍は、今井兼平軍と合流。俱利伽羅峠まで進軍する。

ドロシー
ドロシー
ここで一度、夜襲でやられているのがポイントよね

このときの侍大将である平盛俊は平宗盛の家人。重盛の一門(小松一門)とは、手柄を争い合う仲で、意思疎通や経験の共有が出来ていなかった可能性がある(「玉葉」より)

円城寺
円城寺
そしていよいよ決戦となった俱利伽羅峠の戦いへと突入します

平維盛軍、木曽義仲軍、両軍の進路

北陸遠征進軍路

俱利伽羅峠の戦い

オペレーター
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木曾義仲は、砺波山に入った平家軍に対して、名乗りを上げ、明日攻撃すると宣言します

<平家方維盛軍の思惑>

軍勢は多いので広い場所で戦いたい。砺波山を越えて広い砺波平野に入りたい。

<木曾義仲の思惑>

砺波山を降りさせてはならない

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木曾義仲は砺波山で維盛軍を殲滅させる作戦を練ります

平家軍の背後に兵を回らせて、取り囲んだ木曾義仲軍は、夜襲をかける。

(今井兼平)巧く行ったじゃねえか
(巴御前)一万騎もの兵を背後に動かすとは
(木曾義仲)礼儀正しい奴らには思い付かない戦法だよな

両軍布陣図

俱利伽羅峠の戦い

小矢部市観光協会「義仲と巴 マップ」より引用

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囲まれた平家軍は混乱して、唯一敵がいない場所に逃げようとするが、そこは谷で7万騎が谷に落ちる。

ドロシー
ドロシー
暗闇で谷だとわからなかったのよね

火牛の計の描写

 

泣きながら敗走する維盛

ドロシー
ドロシー
ここまで散々、夜襲や奇襲で負けたのに、それに対する備えが十分ではなかったわよね。情報の共有がとれていないって事かな

木曾義仲が寡兵で大軍を破ってきたのは、夜襲や奇襲。それなのに、またしても夜襲・奇襲にやられる

篠原の戦い

オペレーター
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7万の大軍が敗走しても、別動隊3万が残っていました

ここは、正々堂々の戦いであったが、勢いは木曾義仲軍にあり、平家軍はここでも敗れて敗走する。

円城寺
円城寺
なお、この戦いで、富士川の戦いにいた斎藤実盛が討ち死にします
ひとみん
ひとみん
維盛に発破をかけるつもりで、脅していた初老の武士ね

斎藤実盛は実は、木曾義仲の命の恩人であった。

オペレーター
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斎藤実盛を詠んだ有名な松尾芭蕉の句が今に残っています

むざんやな 甲(かぶと)の下の きりぎりす

平家、都落ち

徳子と安徳天皇

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宗盛は都落ちを決めて、平時子と共に徳子と安徳天皇に話をします。

天皇と三種の神器を携えて都を落ち、福原へと向かう

円城寺
円城寺
妻子を京に残して、都落ちをする者が多い中、徳子は強い決意を口にします

(徳子)妻や子供を残していくものが多いそうよ

(資盛)京が源氏の都になるというのに

(徳子)いいえ、帝がいらっしゃるところが都よ

維盛

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維盛は妻子を残して都落ちします

自分のせいで、と涙する維盛

福原落ち

安徳天皇行幸一行、平家一門は、福原に落ちますが、福原も都を遷してから3年が経っており、荒れ果てていた

福原で一夜を明かしたのち、焼き払って、大宰府を目指して出港する

ドロシー
ドロシー
九州を平定したはずの平貞能が、同行せず都に残るぐらいだから、味方は九州にはいないんでしょうね

九州の反乱を鎮定した平貞能(小松一門)が、兵を引き連れて帰京したが、その数は一千騎あまり。大軍を期待した平家の面々は失望したという。

平貞能は、都落ちしても平家が落ち着ける場所は無いと主張して都に残り、平重盛の墓が荒らされるぬように、掘り起こして、高野山に移したといわれている。

風雅
風雅
都落ちしてくる平家を迎えてくれるような情勢ではない、という事でしょうね

平家なき都へ

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そんな中、びわが都に還ってきます。狼藉を働く源氏の兵士を制止しようとしますが、逆に斬られかけます
ひとみん
ひとみん
1話冒頭のデジャブ!
円城寺
円城寺
しかし、あわやというところで、見知らぬ少女に助けられます
円城寺
円城寺
また、少女の仲間が琵琶と猫を護ってくれます
円城寺
円城寺
さて、この少女は誰でしょう?
ドロシー
ドロシー
って、声で分かるんだけどね。まあ、次回のお愉しみという事で
ひとみん
ひとみん
次回から源氏サイドの悲劇も絡んでくるのかな?
円城寺
円城寺
う~ん。源氏は同族で争いますからね

さて、誰でしょう?

 

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