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平家物語

【考察ネタバレ】アニメ「平家物語」平重衡のその後

平重衡その後
オペレーター
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アニメ「平家物語」では10話で捕虜となって以降、フェードアウトしてしまう平重衡ですが、作中では描かれなかった一の谷の戦いで生け捕りされてしまう経緯やその後などについて補足します

重衡と重盛の子供たちの関係

イケメン?

オペレーター
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初登場時の重衡です
重衡初登場
ドロシー
ドロシー
ビジュアル的には”イケオジ”って感じだけど、重盛の子供たちと歳はそんなに離れてないわ

維盛とは二歳違いです。なので兄貴分という感じでしょうか。(もう少し若々しく描いても良かったかもしれないですね)

「艶かしいほど清らか」と記録が残る

武に優れた重衡

ひとみん
ひとみん
その割には随分頼りがいに差がある
重衡と維盛

実際に武勲では大きな差があります

大きな戦で平家側が勝利した戦には殆ど重衡が関わっています。反面、大きな戦で敗北したものは一の谷合戦くらいです

ドロシー
ドロシー
一の谷の合戦は、後白河法皇を巻き込んだ義経のだまし討ちの線が濃厚だから、仕方ないかな

 

オペレーター
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以下は『吉記』による墨俣川の戦いの平家側戦果です

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美濃合戦事注文風聞、雖不知実説注之、
三月十日、於墨俣河合戦、討取謀反輩首目六、
頭の亮(重衡)方 二百三人内、生取八人、
越前の守(通盛)方 六十七人、
権の亮(維盛)方 七十四人、
薩摩の守(忠度)方 廿一人
参河の守(知度)方 八人内、有自分、
讃岐の守(維時)方、七人、同、
已上三百九十人内、大将軍四人、
和泉の太郎重満(頭の亮方盛久自分)、同弟高田の太郎(同方盛久郎等分)、
十郎蔵人息字二郎(薩摩の守分)、同蔵人弟悪禅師(頭の亮方盛綱手)
この外負手河ニ逃げ入る者三百余人。
吉記治承5年3月13日条より
円城寺
円城寺
重衡の戦果が頭抜けていますね
墨俣川の戦いと言うのは、清盛亡き後の初めての源平の大きな戦です。頼朝の弟、源義円が討ち取られた戦でもあります。
”同蔵人弟悪禅師”というのは、行家の弟と阿野全成が入り混じってますが、おそらく義円のことだろうと推測されています。

教養に優れた重衡

オペレーター
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重衡は、アニメの中でも笛を吹いて文化面の素養の高さを見せました

それ以外にも様々な楽器を操り、勅撰歌人でもあります

ドロシー
ドロシー
絶世の美男子と言われた維盛よりも女性にはモテたみたいよ。若き日の重衡の記録はこちら
資盛と伊子
アニメ「平家物語」平資盛と伊子(建礼門院右京大夫)雅と哀恋の記憶アニメ「平家物語」は原作の平家物語を知っている方が、より深く楽しめますが、平資盛と伊子(建礼門院右京大夫)については、「建礼門院右京大夫集」の知識も有った方が楽しめると思いますのでこの記事で補足していきます(放送に合わせて追記していくスタイルをとります)...
  • 維盛にとっては武の師
  • 清経にとっては笛の友
  • 資盛にとっては恋のライバル?!

 

ひとみん
ひとみん
鎌倉側から見た墨俣川の戦いはこちら
鎌倉殿の13人タイトル
ネタバレ解説【鎌倉殿の13人】11話考察 清盛・義円・祐親の退場NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第11話、「許されざる嘘」のネタバレ解説です。鎌倉幕府の創設年説の一つ「移徙の儀」や清盛、義円、祐親など退場していく人物の逸話などを解説します。...

囚われの経緯

乳母子

一の谷の戦いで平家軍が全軍総崩れとなる中、馬を走らせて須磨(現神戸市須磨区)まで逃げた重衡。そこで運悪く乗っていた馬が矢に射られてしまう

【考察】アニメ「平家物語」9話 「平家流るる」ネタバレ感想レビュー テレビアニメ「平家物語」第9話「平家流るる」の考察です。絵コンテ&演出が呪術廻戦の2話・9話と同じ竹下良平です。呪術廻戦制作時の人脈が活かされたのか、呪術廻戦2話・9話・17話などの総作画監督小磯沙矢香も原画で参加しています。京アニ的な魅力とMAPPA的な魅力がミックスされたエピソードとなってます。ストーリーは、平家の流浪から木曾義仲の破滅、一の谷の戦いまでです。原作の巻の八~巻の九とかなりの分量が、この9話で消化されました。歴史的な背景や省略されている出来事などを補足しながらレビューします。...
オペレーター
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そして重衡の所有する乗り換え用の名馬「夜目無月毛」はなんと乳母子盛長が乗って逃げてしまいます

乗る馬がなくなった重衡は、その場で自害しようとしますが、源氏方に捕まってしまいます。

平家物語では、宗盛の乳母子藤原景経が、宗盛を庇って壇ノ浦で討ち死。知盛は乳母子伊賀平内左衛門家長と一緒に入水する。同じ同母兄弟でありながら、乳母子に裏切られる事で重衡の悲劇性が増します

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山陽電車「須磨寺駅」前には「平重衡とらわれの松跡」が史跡としてあります。

そこに重衡が詠んだという和歌が刻まれています。

ささほろや 波ここもとに 打ちすぎて 須磨でのむこそ 濁り酒なれ(重衡)

重衡被斬

三種の神器と交換

オペレーター
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重衡が鎌倉に送られる前に三種の神器と重衡の交換交渉が行われますが、これは重衡の発案によるものとされます(玉葉)
円城寺
円城寺
命乞いをするような人物ではありませんので、恐らく後白河法皇から、「三種の神器を返したら平家は滅ぼさない」とか言われたんでしょうね

鎌倉にて

重衡©「平家物語」製作委員会

囚われて、鎌倉に護送された平重衡ですが、平家物語でも吾妻鏡でも大変立派な態度であったと記述されています

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藤原輔子:大納言佐

円城寺
円城寺
話は突然変わりますが、平重衡の妻、藤原輔子は壇ノ浦の戦いまで平家と行動を共にします

生け捕られた重衡が口頭で、伝言を伝えます

都落ちした流浪の旅で、あなたと私は一緒にいる事でお互いに心の支えでした。私が囚われの身となって、離れ離れになって、とても悲しい出来事です。でも夫婦の契りは朽ちないと言います。生まれ変わっても必ず逢いまみえましょう

藤原輔子は壇ノ浦で入水しようとしますが、矢が着物を射て動けなくなり、身柄を確保されます

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日野にて再会

オペレーター
オペレーター
平家が滅んだあと、重衡は南都に引き渡されます

重衡は護送される途中、日野(現京都市伏見区)にて妻の藤原輔子と今生の別れをします。

円城寺
円城寺
これは平家物語の重要なシーンですね

堰かねて 涙のかかる 唐衣 のちの形見に 脱ぎぞかへぬる(重衡)

脱ぎかふる 衣も今は なにかせむ 今日をかぎりの 形見とおもへば(藤原輔子)

円城寺
円城寺
処刑される寸前の重衡。妻の藤原輔子に何も形見を残せません。そこで、自分の髪を嚙み切って渡すシーンは、平家物語屈指のシーンですね

重衡が処刑されるのは宗盛より後でした

その後の藤原輔子

藤原輔子はその後、出家して大原寂光院にて建礼門院(平徳子)に仕えます。後白河法皇と建礼門院(平徳子)が出逢う時に一緒にいるのが藤原輔子です。

藤原輔子©「平家物語」製作委員会

円城寺
円城寺
こうやって見ると、平重衡と藤原輔子を主役にしても物語が創れそうですね
ひとみん
ひとみん
平家物語は色んな事が盛りだくさん!

室町時代に成立した平家男子のファンブック、「平家花ぞろへ」

「ことさら人のためおもひやりふかく、こころさまなつかしくなさけしくもてなし、みめもれゐの人もとゆかりにや、いとよくて、打ちわらひ給へけるなどこそ、ことにみまほしけれ。ぼたんの花の 匂ひおほく 咲き乱れたる 朝ぼらけに 初ほととぎすの 一こゑ をとづれたる 程とや聞えむ」(平家花ぞろへ)
(気さくで、心配り気遣いが出来て、見た目も飛びぬけてイケメンで、特に笑った顔に見とれてしまう。咲き乱れる牡丹の花の香りのする朝に、ほととぎすの鳴く声を聞いた時みたいな爽やかなイメージの男子)

円城寺
円城寺
イケメンにときめくのは、古典の時代も現代もあまり変わらないなあ~って感じですね

 

 

 

 

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