コミックス「氷菓」14巻が2022年3月に発売されました。今回は14巻の先頭に収録されている56話「友達は祝われなきゃいけない②」と13巻の最後に収録されている「友達は祝われなきゃいけない①」を一挙にレビューします。
折木奉太郎の危機
お誕生日会
舞台は、折木奉太郎の自宅、折木邸。奉太郎たちが、二年生になった4月28日。
姉の供恵に午後2時半迄自宅で待機するように命じられる折木奉太郎。姉が指示した理由をアレコレ考察するが、答えには至らない。時間つぶしにリビングで本を読もうとする奉太郎。部屋が暗いのでリビングの灯りをつける。
<折木邸を訪れた古典部のメンバー>
- 千反田 える
- 福部 里志
- 伊原 摩耶花
- 大日向友子
折木邸のリビングで、ホームパーティ形式のお誕生日会をすることになる。場所が折木邸なので、お誕生日を祝われる主賓の折木奉太郎がカップやお皿などの食器を用意する羽目に。
折木奉太郎の危機
出典:米澤穂信(原作)・タスクオーナ(作画)・西屋太志(キャラクター原案)〈角川コミックス・エース〉『氷菓』(13)より引用
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この”危機”の内容を推理する材料が55話で提示されます。
招き猫の正体
出典:米澤穂信(原作)・タスクオーナ(作画)・西屋太志(キャラクター原案)〈角川コミックス・エース〉『氷菓』(13)より引用
折木邸のリビングにある「招き猫」は、電灯のリモコン。市販品ではなく、折木供恵が改造した他には無い唯一無二のモノである
風邪で寝込んだ奉太郎
出典:米澤穂信(原作)・タスクオーナ(作画)・西屋太志(キャラクター原案)〈角川コミックス・エース〉『氷菓』(14)より引用
タオルとポカリを用意してくれる折木供恵。お粥も作ってくれるとの事で結構世話焼き。
風邪を引いた当日は春休み。折木奉太郎は二日間寝込みますが、始業式には普通に登校します。
- 折木邸のリビングにある「招き猫」の正体
- 奉太郎は、「遠まわりする雛」当日に風邪を引いて二日間寝込んだ
- 誕生日パーティでリビングのテーブルの上に「招き猫」が残されている
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大日向友子の詮索
自宅を知らない古典部のメンバー
雑談の中で、人付き合いが淡白な奉太郎の自宅には同じ中学の里志と摩耶花も来たことがない事が語られる。
しかし、古典部の面々は迷わずに折木邸に辿り着けた。大日向友子はその事に疑問を呈す。
出典:米澤穂信(原作)・タスクオーナ(作画)・西屋太志(キャラクター原案)〈角川コミックス・エース〉『氷菓』(14)より引用
住所が分かっていて、地図(町内会地図)が有った為
『全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典になっていく。』by郡山養子
時代背景を感じましょう・・・。
詮索好きの後輩
奉太郎は大日向友子の好奇心の強い所が、「千反田 える」に似ているという。
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真相編(ネタバレ)
折木供恵の余計な気遣い
住所を知っていたのは千反田える。千反田はそれを鏑矢中学の卒業文集で知ったという
<千反田えるの説明>
- 惣多という、奉太郎の中学時代のクラスメートに鏑矢中学の卒業文集を見せてもらった
- 惣多の父親は市会議員をしており、家の関係で面識があった
しかし、実際は折木供恵が教えていた。
出典:米澤穂信(原作)・タスクオーナ(作画)・西屋太志(キャラクター原案)〈角川コミックス・エース〉『氷菓』(14)より引用
そして見舞いに来た千反田えるは、奉太郎が招き猫を使ってリビングの電灯をつけるのを目撃する
奉太郎の推理
【奉太郎の推理】
千反田えるは、バースデーケーキのローソクイベントを雰囲気の有るものにしたくて、リビングの電灯のリモコンである「招き猫」をテーブルの上に残した。ローソク点灯と同じタイミングで電灯を消すためである。
しかし、リモコン機能を持った「招き猫」は、折木供恵の手作りの一品であり、他にない唯一無二の物。何の説明もしていないのに、それを知っている人間は、リビングに来た経験がある人間だけである。
最悪の結末
出典:米澤穂信(原作)・タスクオーナ(作画)・西屋太志(キャラクター原案)〈角川コミックス・エース〉『氷菓』(14)より引用
ちなみに福部里志と伊原摩耶花は、この時点はめでたくカップルになっている