オペレーター
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第5話、「兄との約束」の感想解説です。前回の記事はこちらです
【鎌倉殿の13人】感想・解説・考察 第4話NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第4話、「矢のゆくえ」の感想解説です。頼朝の挙兵事情から、「ご恩と奉公」のベースを解説。八重と義時の恋愛事情はネタバレ込み、伊東家の凄惨な家系図込みで考察します。...
円城寺
今回は北条宗時(片岡 愛之助)の最期が描かれました
北条宗時の遺志
別の逃走ルートだったワケ
オペレーター
石橋山の合戦で敗れた頼朝軍は塵尻になって逃亡をはかります。北條時政と義時は一緒に甲斐を目指して、箱根方面にいきますが、宗時だけは三島方面に逃亡しました
GOOGLE MAPから作成
円城寺
宗時だけ別ルートだったワケは史料には書かれていませんが、ドラマでは頼朝の観音像を北条館に取りに戻るという設定になっていました
風雅
北条館を目指したので、石橋山との間にあるJR函南(かんなみ)駅辺りで討たれたという事になるんですね
義時、遺志を継ぐ
北条宗時の本音
源氏も平家もどうでもいい。坂東武者の世を作る。そしてそのトップに北条が君臨する
円城寺
今後の展開を考えるとこれが北条義時の指針になる訳ですね
風雅
北条宗時からは、目的を遺志として引き継ぎ、頼朝からは手段を学ぶという流れですかね
人心掌握術や幕府組織など、目的を成し遂げる手法の事。
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アサシン『善児』
ドロシー
アサシン善児は、この後もずーとクローズアップされるのかしら?
円城寺
公表されている内容だと、善児の今後は、こんな感じでしょうか。放映前の分はアコーディオンにしますね
【善児の暗殺記録】
アサシン善児の今後に注目!
史料では、北条宗時を討ったのは小平井久重と言われています(吾妻鏡)。尚、小平井久重は捕まって石橋山の戦いの3か月後に斬首されています。善児はどういった運命を辿るのでしょうか。
石橋山の戦い
頼朝最大の危機
(出典:wikipedia「石橋山の戦い」)
円城寺
頼朝に味方してくれそうな武将たちは、大庭景親の向こう側にいるわけですね。味方してくれそうな勢力と合流する為には、大庭軍を突破するか甲斐に出る、若しくは海を渡る必要が有ります
オペレーター
鎌倉に固執する頼朝は鎌倉付近での三浦軍との合流を目指します
石橋山の戦い行軍図
(出典:wikipedia「石橋山の戦い」)
頼朝軍300、三浦軍1000
大庭軍3000,伊東軍300
しかし天は頼朝を見放したか、三浦軍は増水した酒匂川を渡れず、頼朝軍は大庭軍と伊東軍に挟み撃ちにされる形となった。
ドロシー
ただでさえ小勢なのに、さらに挟み撃ちにされるなんて絶望的な状況よね
オペレーター
実際、頼朝軍は大敗北を喫し、散り散りになって逃げます
台風の影響で頼朝軍、三浦軍の行軍がかなり制約を受けました。治承・寿永の乱(源平合戦)では、頼朝はかなり強運に恵まれて、天運の有る事を示しますが、この時ばかりは天に見放されたようでした。
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山内首藤経俊の矢
円城寺
祠に逃げ延びた頼朝に山内首藤経俊の矢が刺さっている描写がありました。これって例のアレの伏線ですかね?
山内首藤経俊の母の山内尼が、経俊の命乞いをするエピソードがあります。
三浦氏の中で義村だけ異端?
オペレーター
なお、ドラマの中で、三浦義村(山本耕史)が出陣していますが、それは史料と異なります
史料においては、三浦義村の初陣は、1184年8月の平家追討軍
オペレーター
この事から石橋山の戦いの頃は義村は13歳ぐらいではないか、と考えられています
ひとみん
ドラマの中では三浦氏は、みんな愚直で考え無しの中、義村だけは深謀遠慮って感じだったけど、実際はどうなのかな?
藤原定家の明月記の記載を見ると、実際に権謀術数に長けた人物で常人には理解しがたい存在だったようです。
甲斐源氏
甲斐の武田とは何者?
オペレーター
敗走する中で、北条宗時は、甲斐の武田に援軍を求めるように進言をします
甲斐の武田は武田信玄の祖先
甲斐源氏とは
オペレーター
武田氏は甲斐源氏の嫡流ですが、甲斐源氏は頼朝と同じ河内源氏の一族です
武田氏は河内源氏の氏族
源頼義
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(河内源氏) (甲斐源氏)
源義家 源義光
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源義忠 源義清
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源為義 源清光
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源義朝 武田信義
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源頼朝
円城寺
武田信義は世代的には、頼朝のお父さんと同じ世代なんですね
援軍に来ていた?
ひとみん
宗時は近くまで来ているっていってたけど、本当の所は?
オペレーター
武田氏以外の甲斐源氏で、伊豆になじみのある武将が援軍に来ていました
波志田山合戦では、大庭軍の俣野景久(大庭影親の弟)に勝利しています。
源氏同士の主導権争い
ドロシー
実際に、平家を倒した後は、甲斐源氏も粛清されっぱなしだもんね
風雅
というより、頼朝も自分では武力・財力も無いので、血筋だけが自分の価値だと解っているので、同じ血筋の人間は地位を脅かす脅威と言う認識だったのでしょう
オペレーター
完膚なきまでに敗北した頼朝と北条ですが、どうやって再起するのか、次回に注目です