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鎌倉殿の13人

考察【鎌倉殿の13人】22回 感想 仇討ちは頼朝暗殺計画だった

鎌倉殿の13人タイトル
オペレーター
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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第22話のネタバレ解説です

姉上にはよく首を絞められてました(義時)

絞めてたわねえ(政子)

あれは、どうして?(義時)

分らないのよ。顔を見るとなぜか絞めたくなるのよ(政子)

【22話のトピックス】

  • 頼朝が上洛、日本国総追補使・総地頭に
  • 頼朝に不満を持つ御家人たちが源範頼の元に集う
  • 後白河法皇が崩御。頼朝が征夷大将軍に。
  • 「曾我兄弟の仇討ち」始動。北条時政が巻き込まれる
  • 仇討ちの狙いは頼朝暗殺。黒幕は岡崎義実
  • 千幡(実朝)の誕生
  • 比奈(ひな)登場。頼朝と義時でさや当ての予感
  • 富士の巻狩りが計画される

征夷大将軍と次期「鎌倉殿」

朝廷との交渉

オペレーター
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奥州合戦では朝廷を無視した頼朝ですが、上洛して朝廷との融和を図ります
風雅
風雅
これは頼朝が、「独立した武家政権創設を志す武士たち」に不信を持たれる一因となりそうです
ひとみん
ひとみん
「日和った」って事?

頼朝は朝廷との融和路線に切り替えたのか?元々の上総介・上総広常との路線対立とも言われているので、天下布武を成した今、都育ちの本来の指向に戻ったとも言える。

ドロシー
ドロシー
ドラマでは、全国の守護の任命と罷免の権限(日本国総守護)を与えられるけど、これは史実ではない可能性もあるのよね
  • 頼朝、朝廷から守護の任命・罷免の権限を与えられる
  • 娘の大姫入内を約束する

後白河法皇崩御後、源頼朝は征夷大将軍に任命される

円城寺
円城寺
征夷大将軍に任命は、九条兼実が深くかかわっていると言われていますが、それはまた後のエピソードで考察します

万寿を後継者に

頼朝は、御家人たちに対して、自分の後継者として万寿を認めさせたかった

円城寺
円城寺
という理由で御家人たちを大規模に集めて、後継者として、万寿を披露するイベントを欲していたのですね

そのイベントとして巻狩りを実施

巻狩り

本来は山の神に意志を問う為の神事・祭儀。武士社会においては軍事訓練に代わる

風雅
風雅
神社でおみくじを引くようなものですか。中世においては神仏の影響は大きいですからね。室町幕府の将軍も神社のくじで決めた事がありました

「巻狩り」で後継者に相応しい所を見せれば、神仏のお墨付きを得た事になる。中世なので、当時の人々にとっては、神仏に対する畏怖が現代とは比べ物にならないくらい強い。

ドロシー
ドロシー
自分が権力の頂天に立つと次の最優先事項は後継者なのよね。この辺も秀吉と似ているかな

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工藤祐経が寵臣に

一方、「鎌倉は怖い所だ」と言った工藤祐経。荒事では全く役に立たないが、雅な社会では重宝されて、在京中に頼朝の寵臣となる

オペレーター
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そして自分の命運を尽きさせる場所になるとは露知らず、頼朝発案の「巻狩り」の場所として、富士の裾野を提案します
ドロシー
ドロシー
この工藤祐経をダシに使ったのが、「曾我兄弟の仇討ち」を装った「頼朝暗殺計画」ってことね

新説「曾我兄弟の仇討ち」

仇討ちは「頼朝暗殺計画」の偽装!

オペレーター
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「曾我兄弟の仇討ち」については、三谷幸喜流の新しい解釈がなされました

その一つが、工藤祐経をターゲットとした「曾我兄弟の仇討ち」は、「頼朝暗殺計画」の偽装であるという解釈です

風雅
風雅
これは1話で伏線が張られてましたね
鎌倉殿の13人タイトル
【鎌倉殿の13人】1話感想レビュー ”源頼朝暗殺説”への伏線NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第1話、「大いなる小競り合い」の感想レビューです。1話の内容から今後のストーリーを大胆予想します。曾我兄弟の仇討ちは、源頼朝暗殺を狙ったもので、黒幕は北条時政という説の流れになりそうな第1話。そのまま推移するのか、はたまたどんでん返しがあるのか。先が楽しみです。...

1話の段階で「曾我兄弟の仇討ち」が、「頼朝暗殺計画」実行の為の偽装であるという伏線が張られてました。1話の伏線が22話で回収!

北条時政黒幕説は陰謀

オペレーター
オペレーター
但し、その後は歴史学界の説の斜め上を行く展開でした

歴史学界の一部で唱えられている「北条時政黒幕説」が、反頼朝派・反北条派の陰謀によるものであるという解釈です

円城寺
円城寺
ではまず北条時政黒幕説の根拠をみていきましょう
  • 北条時政が曾我時致(弟)が元服する時の烏帽子親である
  • 曾我時致は、源頼朝を襲撃している
  • 「富士の巻狩り」の現場、駿河国で時政が入念な準備を行っていた
ドロシー
ドロシー
時致の烏帽子親であると同時に偏諱(へんき:名前を一文字授ける)として、”時”を与えているのね
円城寺
円城寺
これに対して「北条時政黒幕説」の否定論の根拠は以下の通りです
  • 時政には頼朝暗殺の動機がない
  • 曾我祐成(兄)を討ったのは、時政の側近である仁田忠常
  • 事後において、処罰されていない

北条時政の権力の源は、頼朝の舅である事と、頼家の外祖父である事であり、二人がいなくなると困るのは北条時政

円城寺
円城寺
で、これらの事実から鎌倉殿の13人では、「北条時政黒幕説」の根拠の数々は、反頼朝派・反北条派による、北条家を陥れる為の謀略であるという結論を導き出しています

”曾我兄弟の仇討ち”の顛末、また事後の処理がどのようになったかは、歴史的事実として史料にありますので、「頼朝暗殺計画」をどう繋ぎ合わせていくかは脚本の腕の見せ所。

<曾我兄弟の仇討ちの結末>

  • 工藤祐経は曾我兄弟に討たれる
  • 曾我五郎(=時致(弟))が頼朝の寝所に乱入
  • 曾我十郎(=祐成(兄))は仁田忠常に討たれる
  • 曾我五郎(弟)は捕らえられて、即日斬首刑

【事件の事後処理】

  • 岡崎義実など相模国の御家人が処罰される
  • 源範頼が謀反の疑いで幽閉される
  • 「建久4年の常陸政変」

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十郎が兄で、五郎が弟

オペレーター
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因みに曾我兄弟ですが、十郎が兄で、五郎が弟です
ひとみん
ひとみん
ドラマではこの呼び方
円城寺
円城寺
偏諱の問題があるので、”時致”、”祐成”という呼称をメインに使っています
ドロシー
ドロシー
実際にはそういう呼び方(=諱:実名の事)は、しないけど分かり易さ優先って事で理解してね

黒幕は岡崎義実!

オペレーター
オペレーター
「北条時政黒幕説」を否定して、ドラマにおいて黒幕認定したのは岡崎義実でした

岡崎義実が出家したのは1193年の8月。同時に出家した大庭景義とともに老齢を理由にした出家と史料にはある。

円城寺
円城寺
しかし、出家だけでなく鎌倉を追放された大庭景義については、こういう資料もあるのですね

3年後、「旗揚げ以来、様々の勲功を上げながら、疑いを掛けられて鎌倉を追われた」と訴える手紙を書き、許される。”疑い”については、具体的な記載はない。

ドロシー
ドロシー
その”疑い”が、「頼朝暗殺計画」という推察ね。大庭景義についての史料だけど、それを岡崎義実に援用したのね。

比企能員の暗躍?

源範頼の凶兆

オペレーター
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一方、比企能員の「婚姻を利用した源氏への取り入り工作」が激化します。その流れを見ていきましょう
円城寺
円城寺
頼朝の方針に不満を持つ武将たちが源範頼の元に集いました。次のメンツです

岡崎義実、土肥実平、三浦義澄、千葉常胤

ひとみん
ひとみん
源義高を担ぎ上げようとしてたメンツ。懲りない人たち
円城寺
円城寺
この場に範頼と縁戚にある比企能員がいたわけですね

<比企能員は状況として次の事を認識>

頼朝に不満を持っている御家人たちは源範頼を神輿として考えている

猜疑心の強い頼朝の前では、「頼朝に代わる神輿」と認識されることは不吉。範頼には義高と同じ運命が待っているか

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千幡(実朝)の誕生

オペレーター
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頼朝の次男、千幡が誕生してその乳母に北条時政の娘・実衣が選ばれた事で、比企能員は対北条で危機感を持ちます

比企能員と道(堀内啓子)夫婦は、姪の比奈(姫の前)を頼朝の側室にして、源氏との縁を強めようと考える。(外戚関係による勢力拡大)

ひとみん
ひとみん
義経で失敗したのに懲りない!
円城寺
円城寺
藤原家も天皇家との外戚関係を強める事で権力を持ちましたから、同じ路線ですね
風雅
風雅
平家も平徳子を入内させたりして、外戚関係による勢力拡大路線でしたね

比企能員は、藤原家や平家と同じように権威者(この場合は河内源氏の一門)との婚姻による外戚関係による勢力拡大路線を採る。

円城寺
円城寺
しかし、この思惑は北条政子によって砕かれる訳ですね

政子を恐れる頼朝は、「義時の為に紹介してもらった」と言い訳をする。

政子は政子で、比奈を北条家と比企家を取り持つ存在にしようと考えを巡らせる

「頼朝暗殺計画」に対するスタンス

オペレーター
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ドラマの中では、比企能員が陰謀家に変遷する予兆も見えました

<比企能員のストロングポイント>

万寿(頼家)の乳母父である

義母比企尼が源頼朝の乳母である

【比企能員の狙い】

「頼朝暗殺計画」が失敗すれば、北条時政に謀反の嫌疑をかけて葬る

「頼朝暗殺計画」が成功すれば、自分が乳母父の万寿(頼家)が次代の鎌倉殿になる

ひとみん
ひとみん
棚から牡丹餅!
ドロシー
ドロシー
漁夫の利狙いだけど、こういう策略は、得てしてじり貧になるのよね

「頼朝暗殺計画」に対しては、第三者的立場を取り、北条家の排斥か、頼家の鎌倉殿就任で立場を強めようと考える

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義時の生きる道

梶原景時の思惑

オペレーター
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北条義時は「頼朝暗殺計画」の動きを梶原景時から聞きます
ひとみん
ひとみん
梶原景時はどうして北条義時に教えたの?

(仮説)未然に防ぐ事を期待した?或いは、義時を試した?

円城寺
円城寺
一応、鎌倉の治安を守るのが梶原景時の仕事ですからね

でも、義時じゃなく、頼朝に注進すれば良いのでは?

風雅
風雅
北条家に恩を売るつもりだったのかもしれないですね
ドロシー
ドロシー
だとしたら、その布石は役に立たなかった事になるのかな?

試される義時の危機管理能力

円城寺
円城寺
でも図らずも、ここで主人公である北条義時も危機管理能力が試される訳ですね

義時はどう動くか・・・・

ひとみん
ひとみん
次回、曾我兄弟の仇討ちを装った、頼朝暗殺計画の顛末はこちらです
鎌倉殿の13人タイトル
考察【鎌倉殿の13人】23回 感想 狩りと獲物NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第23話のネタバレ解説です。頼朝は、夜這いをしていて危機を回避します。曾我兄弟は頼朝を討つつもりが、身代わりとなっていた工藤祐経を誤爆。北条義時はその誤爆を利用して、鎌倉の危機、北条氏の危機を切り抜けます。一方、山の神に認められない万寿の前途は暗雲が漂い、比企能員の失着に巻き込まれた範頼の命運は尽きようとしています。...

 

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