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鎌倉殿の13人

考察【鎌倉殿の13人】23回 感想 狩りと獲物

鎌倉殿の13人タイトル
オペレーター
オペレーター
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第23話のネタバレ解説です
円城寺
円城寺
「富士の巻狩り」は、神の意志を確認する場であることが、強調されました

頼朝は神に見放されつつある

万寿は神に選ばれない

金剛は神に選ばれる

不正を働いた比企能員は神罰で矢が当たりケガを負う

狩りと獲物

23話のトピックス

  • 万寿は獲物に矢が当たらず山の神に認められない印象
  • 金剛は獲物を仕留めて、山の神に認められる(但し、義時が伏せる)
  • 不正をしようとした比企能員は万寿の矢が当たりケガを負う
  • 源頼朝は夜這いをしていて命拾い
  • 北条義時と比奈はいい感じ
  • 工藤祐経は頼朝の身代わりで「あぼーん」
  • 北条義時が暗殺計画を仇討ちに偽装
  • 首無し遺体、頼朝と間違われる
  • 源範頼が誤情報で致命的な勇み足
  • 慌てた比企能員が痛恨の自爆
円城寺
円城寺
仇討ちとか、暗殺とか、内容的にはシリアスなんですが、「夜這いで偶然命拾い」とかコミカルな展開も入れつつ如何にも「鎌倉殿の13人」だなあ、ってエピソードでした

『富士の巻狩り』日程表

開始前北条義時が曾我兄弟の仇討ちを装った「頼朝暗殺」の陰謀が存在する事を、北条時政に伝える
一日目<日中>

  • 万寿は成果が出ずに所期の目的を果たせない。
  • 金剛が鹿を射止める。義時はそれを隠す。

<狩り終了後>

  • 畠山重忠が警備の応援に駆け付ける。
  • 源氏の威信もあり、巻狩りの中止は考えられない。
  • 義時は図面を見ながら、”万寿が獲物を狩り易い布陣”を考える。
  • そこに比奈が来て話をする。比奈は北陸育ちで、鹿の生態に詳しく、話をするうちに二人はいい雰囲気になる。
二日目<日中>

  • 万寿はまたも成果が出ない。

<狩り終了後>

  • 安達盛長、比企能員、北條時政が万寿の為に”動かない鹿”を用意する算段をする。(一日目に金剛が仕留めた鹿を使用)
三日目<日中>

  • 万寿は”動かない鹿”にも矢を当てられないが、八田知家が万寿の矢を偽装して矢を当て、鶴丸が鹿を倒して偽装する。
  • 因みに万寿の放った矢は獲物ではなく比企能員に命中。
  • ケガを負った比企能員は、一足早く鎌倉に帰る
  • 万寿は表向き、偽装を知らない振りをしたが、金剛にだけは御家人たちの手を借りず自力で行動する決意を示す。

<狩り終了後>

  • 頼朝は比奈の寝所に夜這いをするために工藤祐経を身代わりにする。
  • 義時は頼朝の夜這いを予期していて、頼朝を追い返す。
  • 曽我兄弟が頼朝を狙って襲う。曾我十郎は仁田忠常に討たれるが、曽我五郎が工藤祐経を頼朝と間違って討つ
  • 工藤祐経の首無し遺体が頼朝と間違われて頼朝が討たれたとの風聞が立つ。
  • 頼朝だけでなく万寿迄討たれたとの誤報に慌てた比企能員が、範頼に後継ぎを急かす
  • 北条義時は、頼朝への謀反の存在が広まると鎌倉の基盤も揺らぎ、兵を貸した北条の責任も問われる事から、仇討ちとして処理をする

夜這いで命拾い

身代わりを立て夜這いに

オペレーター
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1193年5月28日、「富士の巻狩り」の最終日に頼朝は、比奈への夜這いを試みます

それを察知した義時が、比奈の部屋で予め待ち構えていました

円城寺
円城寺
一度は、「仲を取り持とう」という頼朝の申し出を断った義時ですが、この後、いい感じになっていきます

そして、源頼朝の身代わりに、鎌倉殿の寝所で頼朝の振りをしていたのが工藤祐経だった。

頼朝は、比奈のところへ夜這いに行くために「鎌倉殿の寝所」を離れた

そして頼朝の身代わりとして、「鎌倉殿の寝所」にいたのが太鼓持ちの工藤祐経だった

曾我兄弟は「鎌倉殿の寝所」へ

オペレーター
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一方、曾我兄弟は頼朝を狙い、真っすぐ「鎌倉殿の寝所」を目指します
ドロシー
ドロシー
亀の前のシーンを思い出したわ

工藤祐経は頼朝に成りすまして「鎌倉殿の寝所」にいた

曾我兄弟の不審な動きを察知した仁田忠常は、止めようとして曽我十郎(兄)と立ち回りになる。そのすきに曽我五郎(弟)が、「鎌倉殿の寝所」に乱入。頼朝と間違えて、工藤祐経の首を獲る

 

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<頼朝死去の誤報の原因>

  • 工藤祐経が頼朝の振りをしていた事
  • 遺体の首が無かった事
オペレーター
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以上の事から、暗殺されたのは頼朝との誤報が一気に拡散します
円城寺
円城寺
これは距離の離れている鎌倉において、重大な事態を招きますが、まずは義時の事後処理を確認しましょう

北条義時の二重偽装

オペレーター
オペレーター
北条義時は、この事件を天晴な仇討ちとして美談にする事を決めます

【頼朝暗殺計画を表沙汰に出来ない理由】

  • 謀反が表沙汰になれば、頼朝に不満を持つ勢力の存在が明らかになり、鎌倉の基盤が揺らぐ
  • 騙されて兵を貸した北条時政の責任が問われる
円城寺
円城寺
そこで仇討ちを偽装した暗殺計画だったのを純粋な仇討ちという事にしたんですね

曽我兄弟が「鎌倉殿の寝所」に乱入したのは、あくまでアクシデントとして、曽我兄弟の行いを美談にしておさめようとした。頼朝の代わりに首を獲られたのが、偶然にも曾我兄弟の仇討ちの名目上のターゲット工藤祐経だったので、これを上手く利用した。

ひとみん
ひとみん
だから吾妻鏡には仇討ちの美談として書かれているんだ

曽我十郎(兄)は仁田忠常に斬られる

曽我五郎(弟)は即日処刑

ドロシー
ドロシー
即日処刑にしたのは口封じも兼ねてよね

ただの仇討ちにしては、死傷者が多かったや、中途半端な処分(出家など)の理由も含めて、キレイに纏めたエピソードとなっています

風雅
風雅
特に北条が表ざたに出来ない理由として、北条時政が騙されて手伝わされていたという設定は中々秀逸ですよね

 

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役割を終えた頼朝

円城寺
円城寺
幸運に見えた頼朝ですが、今回は天の声が聞こえなかったという事で、「歴史上の役割は終えた」という部分も印象付けられました

平家を滅ぼすために生まれた源義経。平家滅亡後は歴史の舞台から退場させられる。

鎌倉幕府を創設するために生まれた頼朝もまた、歴史上の役割を終えて、退場する事が示唆される

神に認められない、万寿(頼家)

神に認められない男

オペレーター
オペレーター
それ以外の主要キーパーソンの動向を見て見ましょう。まずは本来の「富士の巻狩り」の主役、万寿(源頼家)です

自力で獲物を討ち取り、後継者であることを認知させたい万寿(源頼家)だったが、全く獲物を討ち取る事が出来なかった。

ドロシー
ドロシー
山の神に認められなかったって事よね

そこで、比企能員が、既に狩られている獲物を使って偽装する事を提案。北条時政や八田知家などの協力なんとか格好をつける

ひとみん
ひとみん
万寿の矢が比企能員に当たった!
ドロシー
ドロシー
腹黒いから、山の神のバチが当たったのかな
円城寺
円城寺
色々、神の裁量が感じられる「富士の巻狩り」ですね

万寿(源頼家)は自力ではまったく獲物を狩る事が出来ず、山の神に認められていない事を印象づける

神輿を拒否する万寿(源頼家)

オペレーター
オペレーター
御家人たちのおぜん立てで獲物を狩った事になった万寿(頼家)ですが、内心は忸怩たる思いがあったようです
風雅
風雅
神輿に乗らずに自分の足で歩きたいという事ですね

「担ぐ神輿(みこし)は軽い方がいい

円城寺
円城寺
鎌倉幕府に限らず、神輿は軽い方がいい、というのは日本社会の特徴ですからね

武士団からすると、専制君主よりも、象徴的なトップで何もしない方が良い、という結論に収斂していく前兆か

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乱世の万寿(頼家)

円城寺
円城寺
ダメダメなところだけじゃなく、いいところも見せていましたね

曾我兄弟の仇討ちで混乱している時、的確な指示を出して、事態の収拾にあたる

ドロシー
ドロシー
乱世向き、っていうところを見せたのかな?

但し、万寿(頼家)の目指す「鎌倉殿」像は、御家人たちや、歴史に求められている「鎌倉殿」像とは異なる

今後の万寿(頼家)の運命を示唆するようなエピソードでした。

神に認められた金剛

オペレーター
オペレーター
万寿と対照的な描かれ方をしたのが、金剛でした
円城寺
円城寺
初日に金剛(北条泰時)が鹿を射止めた描写があったのは、金剛が武士の頂点に立つに相応しいと神が認めたことを示唆する演出ですね
ドロシー
ドロシー
万寿(源頼家)との差で、二人の将来を暗示した訳ね

比企能員の自爆

慌てて自爆した

オペレーター
オペレーター
仇討ちが失敗したら、北条を失脚させようと考えていた比企能員ですが、神罰なのか万寿の矢が当たり負傷した為、富士を離れて鎌倉に帰った為に、正確な情報が得られず慌てて失着をおかします

鎌倉にいるために正確な情報が入らない比企能員。源頼朝だけじゃなく、万寿(頼家)まで亡くなったという誤報を信じて、慌てててしまい、比企氏にとって最後の切り札である源範頼を担ごうとする。

円城寺
円城寺
北条を失脚させる事も出来ず、手持ちの有力カードである源範頼にも致命傷を与えてしまうのですね

頼朝暗殺計画の現場を離れてしまって、北条義時に上手く事態を収拾されて思惑は外れる。それだけでなく、焦って源範頼を担ごうとした為、頼朝に余計な不信感を持たれる危険性まで出てきた

ひとみん
ひとみん
まさに「人を呪わば穴二つ」!

しくじり先生

円城寺
円城寺
陰謀好きだが、陰謀ベタな印象を付けられましたね比企能員は

比企尼が頼朝の乳母であった事をバックに、外戚戦略で勢力を拡大する比企能員だが、人心掌握力や謀略の才は無かった

ひとみん
ひとみん
絵に描いたような「しくじり先生」だ

最終的には比企に味方しようとする有力者は一人もいなかった

ババを引いたのは範頼?

私心なく、野心も無く

オペレーター
オペレーター
一方、私心も野心も無い範頼でしたが、「鎌倉の為」と迫る比企能員に押し切られて、後を継ぐことを決断してしまいます
風雅
風雅
22回のエピソードで、御家人たちが頼朝に不満を持っているのを知っていたので、危機感が強かったのでしょうね。それが裏目に出ました
ひとみん
ひとみん
そっか。あれが伏線になっていたんだね

この騒動で最後にババを掴まされたのが範頼か

円城寺
円城寺
普段の言動から範頼を信じていただけに頼朝の不信感は強まったのでしょうね

範頼の妻は比企家?安達家?

ひとみん
ひとみん
範頼の妻は比企家なの?安達家なの?

範頼の妻は、安達盛長の娘です。但し、安達盛長の妻は比企尼の長女なので、比企家と安達家の両家と血縁関係がある女性です

円城寺
円城寺
比企尼にとっては、範頼の妻は孫になる訳ですね

比奈と義時

ひとみん
ひとみん
比奈と義時はいい感じ!
円城寺
円城寺
そうですね。でも、歴史的には「ロミオとジュリエット」以上の悲劇が二人を襲うんですね

北条家と比企家。両家は、この後、どちらかが滅ぶまで陰湿な陰謀合戦を行う。その中で、比奈は翻弄されて悲劇的な別れを迎えます(歴史的事実)

ひとみん
ひとみん
そして次回は善児の弟子が登場!?
鎌倉殿の13人タイトル
考察【鎌倉殿の13人】24回 感想 変わらぬ人NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第24話のネタバレ解説です。比企能員の口車に乗った範頼は幽閉されて謀殺。その際に、善児の弟子「トウ」が誕生。一方、義高を忘れられない大姫には悲劇が待ち受ける。一転して、何をやっても上手く行かない頼朝を待ち受ける運命はー。...
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