TVアニメ『映像研には手を出すな!』『平家物語』など質の高いアニメを制作すると高い評判のスタジオ「サイエンスSARU」が制作する「近未来ソーシャルネットワークアドベンチャー」オリジナルアニメです。
1話を観た感じでは、どうやら単純な「SNS社会でいいね!を求める心理への批判」という作品では無さそうです。
アウトライン
情報都市『トムソーヤ島』
<トムソーヤ島の特徴>
- 個人データが『らぶ』という評価計数で数値化されている
- 『トムソーヤ島』の住人は『デコ』と呼ばれるデバイスの装着を義務化されている
- 『デコ』は拡張現実(AR)、仮想現実(VR)を再現するデバイス
- 『トムソーヤ島』の住人は『デコ』により情報をリアルタイムで相互共有している
- 個人情報が可視化・透明化されて不正やごまかしができない
- 安全で争いが起こらず、犯罪件数もゼロ
評価計数『らぶ』
- あらゆる情報の評価計数
- 相互評価を可視化したもの
- 多くの『らぶ』を集めると『デコ』の機能を拡張したり、様々なサービスを受けられる
タイトルでユーレイが「YOU 0」と表現されている
「楽園追放」ではより多くのメモリ割り当てを目指して、有能なパーソナリティとしての評価を目指す
視覚情報デバイス『デコ』
- デコレーションカスタマイザー(通称:デコ)
- トムソーヤ島の住人には装着が義務付けられている
- 『らぶ』を数値的に可視化できる
- 自分が観たいモノや風景だけが観れる
- 住民たちの情報は、『デコ』によりリアルタイムでカスタマーセンターに共有される
スポンサーリンク
管理組織『カスタマーセンター』
- 『デコ』システムを管理している
- 『らぶ』に応じて様々なサービスを住民に提供している
- トムソーヤ島の警備をしている
- 『コンテンツモデレーター』が情報の適正・不適正を判断している
超再現空間
『デコ』を使用してトムソーヤ島で実現される仮想の空間。なぜか視覚だけでなく、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感全てが再現される。学校の授業も仕事も現地に行く必要が無い。
『カスタマーセンター』にとって都合の悪い現実は見られないようにしているオチはありそう
専制国家によくありそうなパターンですね
0(ゼロ)現象
『らぶ』が強制的に0になってしまう現象。トムソーヤ島で広がる。謎の「怪人0」が引き起こしていると噂されている。
「カスタマーセンター」が悪者というのは、今までの世界観・世界設定からは推測できますが、そもそも「怪人0」が実在するのかどうか、という事ですね
スポンサーリンク
イントロ
ストーリー
情報都市トムソーヤ島の住人たちは視覚情報デバイスデコを使って、リアルとバーチャルを行き来する生活を営んでいた。
島のあらゆる物事は評価計数”らぶ”で共有され、人々は多くの”らぶ”を集めるために日々奔走している。そんな島では「怪人0」の仕業と噂される”らぶ”消失事件0現象が起きていた!
ある日、島に住む普通の女の子ベリィはユーレイと呼ばれる住人のハックたちと出会い、怪人0と0現象の謎を突き止めるため彼らユーレイ探偵団に参加。やがてベリィは島に隠されたある真実に近づいていく・・・
以下、カスタマーセンターのPRです。世界観、世界設定の理解に役立ちます
巨人の逸話
逸話のポイント
- 100の目を持つ巨人がいた。百の目はそれぞれ交代して眠るので巨人は眠る事ができなかった。
- 巨人は一日中何時でもどんな場所でも全てを見ることができた
- 人々は巨人に世界を見守る役目を与え、巨人に見守られて人々に安らぎが訪れた
- ある時、巨人は裏切りを行う人を見つけたので報告した
- 人々は全てを見て全てを知る巨人を恐れて巨人を殺害
- 巨人の百の目はクジャクの羽根に移植された
トムソーヤ島かカスタマーセンターか
トムソーヤ島の紹介に出てくるクジャクのマーク
©ユーレイ探偵団
本命はトムソーヤ島。対抗はカスタマーセンターというところでしょうか。
カスタマーセンターとの類似点
- 百の目はそれぞれ交代して眠るので巨人は眠る事ができなかった。
- 巨人は一日中何時でもどんな場所でも全てを見ることができた
トムソーヤでの冒険
導入説明
導入説明は、子供たちへの授業と言う体裁をとっていました
SF設定などで、知識の無い人向けに説明するシチュエーションを冒頭に入れるのはありふれた手法だが有効。
新自由選択主義
造語だと思われるが、カスタマーセンターが提供する思想。
ポイントとなるのは以下の3点
- 共感
- 共存
- 適度なパーソナルスペース
©ユーレイ探偵団
人を愛し自分を愛してもらう。愛とは評価である、愛とは価値である。
市場(人々)が求めている商品を市場に出せば、たくさん売れて(評価されて)お金(価値)が入る、という市場経済のメカニズムとほぼ一緒
ネーミングが胡散臭いですが、『新自由選択主義』は、『新自由主義』を批判する為の造語かもしれない
インプラント
人の身体に埋め込む人工物のこと
これで、カスタマーセンターが見せたいものだけ見せられる状態
ハックはカスタマーセンターが見せたくない存在
年金詐欺のような話
このあと、親が亡くなった事実を伏せて、親の『ラブ』を使う、「年金詐欺のような」お話をネタにしたエピソードがあります
適正・不適正
水着の写真を不適正判定するコンテンツモデレーター
©ユーレイ探偵団
『平家物語 第7話』がアダルト判定されました
©ユーレイ探偵団
モデレーターによる情報統制は、恣意的な判断で表現の自由が束縛されてしまう事にもつながる
0(ゼロ)現象と「怪人0」
0(ゼロ)はウソ。0(ゼロ)以外の非0(ゼロ)が真実である。大人たちはいつもそんな風に言う。怪人0は言葉に出来ない。故にゼロ。ゼロが現れると私たちのトキメキラブが一瞬にして吹飛んじゃう。とんでもないまさに怪人
眼帯が一瞬にして消える
©ユーレイ探偵団
©ユーレイ探偵団