オペレーター
エヴァ初心者ですが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版*1』(*1反復終了記号)を観賞しましたのでその感想&ガイド記事です。若干ネタバレありです
事前に過去作を観ました
過去作は何を優先的に観賞するれば良いか?
オペレーター
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が完結編であるという前提に立って、今までの過去作をチョイスして配信見放題で事前に観賞しました。
【NETFLIX(見放題)で鑑賞】
『テレビシリーズ全26話』
『新世紀エヴァンゲリオン劇場版DEATH (TRUE)2』
『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』
以上、「旧世紀版」
【AmazonPrime(見放題)で鑑賞】
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
以上、「新劇場版」
円城寺
観賞した結果、過去作について、本作を愉しむ為に事前に視聴した方が良い、という観点で優先度を表にまとめました。あくまで個人的な意見です
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の事前視聴のお勧めは
優先度 | 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 |
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優先度 | 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 |
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優先度 | 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』 |
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優先度 | 『テレビシリーズ全26話』 |
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優先度 | 『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』 |
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優先度 | 『新世紀エヴァンゲリオン劇場版DEATH (TRUE)2』 |
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円城寺
時間の無い方は、『テレビシリーズ全26話』に代わって『新世紀エヴァンゲリオン劇場版DEATH (TRUE)2』を観る方法もありますが、ストーリーを理解しやすいように編集はされていない(テレビシリーズ観賞済みが前提のような編集)のであまりお勧めできません
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事前に過去作を観る利点とは
ストーリー理解の為に観るべき過去作は「新劇場版」
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
ドロシー
ヱヴァンゲリヲン新劇場版は、連続したストーリーになっているので、過去3作観ないとストーリーの理解に支障が出るわ。ストーリーだけに関していうと『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』はテレビシリーズの再編集みたいな感じだけどキャラの設定、特に人間関係が少し変わっているので、テレビシリーズ視聴済みでも観ておいた方が戸惑わないわよ
ひとみん
特に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は、新メインキャラの真希波・マリ・イラストリアスが登場するので、時間が許す限り観賞をお勧め
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の続き。同じように『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』と合わせて、一つのストーリー。夫々の作品で完結ではないので注意!
キャラへの思い入れ重視なら旧世紀版
オペレーター
”劇場版”というと、ヱヴァンゲリヲンに限らず、どうしても時間の制約からキャラの深掘りがTVシリーズよりも少なくなってしまい勝ちです。キャラへの思い入れを持って観賞したい、と言う方にはTVシリーズを含む旧世紀版の事前観賞をお勧めします
ドロシー
観なくてもいいんだけど、より深く味わいたいならば、っていう感じよね
円城寺
気を付けて頂きたいのは、TVシリーズと新劇場版ではキャラ設定の相違点がそこそこあるので、それを意識しながらでないと、余計に混乱するということでしょうか。特にダブルヒロインの一角、”式波・アスカ・ラングレー”は、新旧で名前も変わっていますし、設定も変わっています
「新劇場版」は「旧世紀版」のリビルド(再構築)。世界観やキャラ設定は基本的に受け継いでいる(一部追加変更有)
「新劇場版」では「旧世紀版」の何処が何のために変わったのか、考察しながら観るのも一興です
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過去作が観れない人は無料PVで!
オペレーター
「新劇場版」については、1本あたり4~5分の無料で観れるPVがありますので、そちらを観ておきましょう。最低限のストーリー展開は捕捉出来ます。
時間が無いor有料配信は避けたい
無料のPVを観ましょう
FOD
外部リンク
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q PV「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」
https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/movie/serc651/c651810001/
PV「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」
FOD
外部リンク
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 PV「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/movie/ser6z89/6z89810001/
PV「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
FOD
外部リンク
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 PV「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」
https://fod.fujitv.co.jp/s/genre/movie/ser6z90/6z90810001/
PV「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」
ひとみん
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の上映でも本編開始前にダイジェスト映像「これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版」(3分41秒)があるけど、こっちの無料PVの方が詳しいのでオススメ!
円城寺
PVで済ます場合は、ウィキペディア(Wikipedia)とか文字情報で補完しましょう
ドロシー
PVで済ます場合以外もウィキペディア(Wikipedia)とか文字情報で前提知識を補完した方がいいわ。分かり難い作品だから
映像だけでは理解困難な部分もありますので、ウィキペディア(Wikipedia)とか文字情報で前提知識を補完するのは視聴時の理解を促進するのに有益です
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エヴァ初心者の感想・レビュー
オペレーター
続きまして、『シン・エヴァンゲリオン劇場版*1』(*1反復終了記号)の感想です。初心者の感想ですので、コアなエヴァファンの人からしたら、浅いと感じると思いますが、作品の魅力と感じた事を語り合います
前衛的なアニメーション表現
ドロシー
ここまで長々と”前提知識”みたいな事を書いてきたけど、「パリ市街戦」は、それが一切なくても愉しめる、特撮チックなアニメーション表現よね。一大スペクタルだったわ
円城寺
NHKの番組(プロフェッショナル)で、アングルと編集が大事、自分でやると前作の焼き直しになる、と様々な工夫をしている様子がありましたけど、その集大成を屁理屈言わずに楽しみたいですね
第3村のシンジと災害からの再生
オペレーター
第3村のパートは、本作の深淵なテーマ「虚構に耽溺していないで現実に還れ」を丁寧にやっているという評価が多いです
ドロシー
それはそうなんだけど、注目したいのはシンジの立ち直りの過程よね。今までの「乗りたくない!」は、どうしようもない危機的な状況に追い込まれてあまり考える間もなく”乗る”になるパターンだったけど、第3村のパートには人間(シンジ)の再生が描かれていたわ
ひとみん
この第3村のシーンの制作で、NHKの番組(プロフェッショナル)で映画スタジオを使ってモーションキャプチャで強い拘りを持って、ベストアングルを探っている様子があったけど、そういうところも関心を持って観ると面白いよ
風雅
同じ観点で言うと、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』には東日本大震災後の混乱の影響が色濃く刻まれていたのですが、このパートは災害後の営みの再生も丁寧に描かれていましたね。今まで、いろんなアニメがあまりスポットライトを当てていなかった部分(私が知らないだけでしょうけど)のように感じました
人間の成長を描く
今までの「乗りたくない」→「乗る」の繰り返しとは明らかに違う
第3村のパートは、シンジの立ち直りと、災害からの営みの再生を巧くシンクロさせていて、後のシンジのエヴァに乗る理由、エヴァに乗らなくても良い世界を望む理由に納得性を持たせていました
「自分、自分」(認められたい思い)からの脱却
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シンジの母と化した葛城ミサトの最期
オペレーター
葛城ミサトは旧世紀版と同様に最終盤でシンジを送り出して絶命しますが、趣きはかなり違っていました
ドロシー
前作は”女”の色合いが濃く、今回は母親チックよね。シンジが大人になる後押しをした。実際にシンジと同い年の息子がいて母親なんだけど
風雅
でも葛城ミサトにも幸せになって欲しかったな。あのメガネ、日向でしたっけ?それこそシンジでもいいから、誰でもいいから大切にしてくれる人と幸せになって欲しかったです
ダブルヒロインの扱い
オペレーター
旧世紀版では綾波レイとアスカがダブルヒロインだったわけですが、主人公シンジとはどちらも結ばれませんでした
ドロシー
というか綾波レイとか、そもそも『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に登場していないし。”そっくりさん”だもの。アスカも名前も設定も変わっているしね
風雅
BL系のカヲルも含めてトリプルかもしれないですが、三人は新劇場版ではキャラの掘り下げが少なかったですね。葛城ミサトはそれなりにあった感じですけど
円城寺
旧世紀版のキャラから誰かを選んじゃうと、各キャラのファンの人が辛いからかもしれませんね。代わりに魂の救済シーンをそれぞれに入れて、ラストシーンに登場させる演出はバランスが取れていたと思います
神話になったシンジ
風雅
葛城ミサトが”母親チック”でシンジを後押しした、という話がありましたが、そういう意味では母親から旅立ったシンジは「残酷な天使のテーゼ」の歌詞のように”神話になった”と言う感じでしょうね
ドロシー
ラストシーンの背広姿のシンジは、女性を喜ばせるリップサービスまで口にするようになっていて、旧世紀版の加持リョウジみたい。声も大人の男性の神木隆之介だしね
風雅
個人的には鈴原サクラか、葛城ミサトと結ばれて欲しかったですけどね
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旧世紀版との比較で思う事
テーマは同じ。見せ方が違う?
オペレーター
この作品のテーマについて、良く言われているのがテーマは旧世紀版と同じだが、見せ方が大人になった、或いは成熟したという事です
円城寺
テーマは、「虚構に耽溺していないで現実に還れ」ですよね。旧世紀版は、現実逃避している人たちに辛辣というか、ケンカ腰の表現でしたね
ドロシー
しょうがないんじゃない?「火をつける」とか、「殺す」とか言っているような人たち相手だから。当時に比べて今は更に深化してるしね。実際に京アニ事件のような事も起こるし、「ざまぁ」とか「今更遅い」とか、現実逃避は旧世紀版の時代に比べてバラエティに深化してる
風雅
NHKの番組(プロフェッショナル)とか観ると、アニメがそうした事態(現実逃避)の加速に関与しているのではないか、という苦悩も感じられましたね。第一線のアニメーターとして何とかしたいんでしょうね。相手に伝わらなくてもいいから、言いたいことを言うのであれば、それは自己満足で、大上段に構えて大声で正論を言ったからと言って、相手に伝わるとは限らないですし、「虚構の世界に浸るのもいいけど、現実との折り合いも付けよう」って工夫をした苦労のあとがヒシヒシと伝わる表現でした。
アスカのキャラ
オペレーター
アスカは名前も変わっていましたが、加持リョウジとの関係など人間関係も変わっていました
円城寺
新劇場版では母親との関係や加持リョウジとの関係が描かれないので、アスカの言動が少し唐突な印象を受けますよね
風雅
母親の話はちょっと重すぎたのもあるでしょう。でもシンジとはお互いに「(14年前の若い時は)スキだった」と言って、好意をありがとうって言う終わらせ方は、「虚構に耽溺していないで現実に還れ」というテーマ的に、いいケリの付け方だと思いますね。加持リョウジについては、代わりとなる大人の男性キャラがいるので、単に必要なかったのでしょう。
アスカについては作品テーマに合うようにキャラと結末を変えたように感じた
シンジの成長「どうして皆優しいの?」
オペレーター
旧世紀版では、「どうして優しくしてくれないの」と言っていたシンジが、この作品では「どうしてみんな優しいの」と言うようにシンジも他者との関りで成長している感じがしました。
ドロシー
「自分、自分」じゃなくなった。そういう意味ではラストシーンの大人になる前から成長していた。過去作と”変わらない。同じことの繰り返し”って批判する人もいるけど、上辺とかディテールじゃなく、本質が変わっていたと思うわ
『シン』は「新」か「真」か「神」か
オペレーター
タイトルは、特撮の「シン・ゴジラ」と同じ、”シン”がつきました
風雅
これは庵野秀明が命名したんでしょうね。「シン・ゴジラ」がそうでしたから。タイトル的にはゴジラよりエバンゲリオンの方が、”シン”がさらにしっくり来ますね
ドロシー
「旧世紀版」に対する「新」であり、「真」。最後にシンジが神話になって「神」
円城寺
このセリフは、NHKの番組(プロフェッショナル)によると監督がアフレコの時に追加したんですね