2023年4月1日(土)からNHK総合テレビにて放送される『TIGER & BUNNY 2』。1期の放送が2011年4月から9月まででしたので、10年以上前になります。
そこで、2期にスムーズに入っていけるように、1期(全25話)と1期のアフターストーリーになる劇場版「TIGER & BUNNY -The Rising-」について、振り返ってみましょう。
前半は、失敗が多く、ヒーローをリストラされかけた、うだつの上がらない子持ちの中年男が、その人柄の良さからヒーローとして周囲に認められていく物語です。
そして後半は、年齢からくる能力の減衰に対して、どう向き合うかというストーリーになっています。
衰えて仕事が出来なくとも「働かないオジサン」などとバカにされず、周囲のサポートを受ける、ある種のシンデレラストーリーですね。
『TIGER & BUNNY』世界観
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アウトライン
特殊な能力を持つ人間「NEXT」が、職業”ヒーロー”として、企業に所属して架空の都市「シュテルンビルト」の治安を守っている姿を描く作品。リストラされかけた落ち目のベテランヒーロー「ワイルドタイガー」(本名:鏑木・T・虎徹)と、生意気なイケメンルーキー「バーナビー・ブルックスJr.」(本名同じ)の凸凹コンビが、他のヒーローたちと共に活躍する姿を描いた「バディヒーローアクション」
世界観や設定は、『僕のヒーローアカデミア』に似ています。『僕のヒーローアカデミア』はヒーローを目指す学生が主人公ですが、『TIGER & BUNNY』では、プロのヒーローが主人公になります。
アメコミの影響を受けているので似ている部分があるのでしょうね。
NEXT(ネクスト)
超能力のような特殊な能力を持つ人間の事。能力の種類は、戦闘に役立つ能力もあれば、殆ど役立たない能力まで千差万別である。基本的に一人一つの能力であるが、稀に複数の能力を持つ者もいる。能力を持たない人間からのNEXTに対する差別も描かれている。
シュテルンビルト
2000万人が暮らす舞台となる三層構造の都市。都市の構造は、上層から順に上流層の住むゴールドステージ、中流層の住むシルバーステージ、下流層の住むブロンズステージと分かれている。各ステージは、街の複数個所に設置された巨大な支柱によって支えられている。中心には黄金の女神像のようなジャスティスタワーがそびえ立つ。その他、以下のような特徴がある
- 英語が公用語
- 通貨は独自のシュテルンドル
- 死刑制度は無い
- 様々な民族、NEXTが共存する
- 犯罪が頻発する
七大企業
シュテルンビルトの企業のうち、ヒーロー事業参入を認可された七つの企業
- アポロンメディア:総合メディア企業
- タイタンインダストリー:重工業系の企業
- クロノスフーズ:食品系の企業
- ポセイドンライン:交通系企業
- オデュッセウスコミュニケーション:通信系企業
- ヘリペリデスファイナンス:金融系企業
- ヘリオスエナジー:エネルギー系企業
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スーパーヒーロー
本来はアメコミ用語で、超人的な能力をもって正義を執行する人の事。本作では、NEXTの中で企業に所属して、スポンサーロゴを背負って、企業のイメージアップの広告塔として、「HERO TV」で付与されるヒーローポイントを獲得するため、事件解決や人命救助に勤しんでいる。活躍の様が「HERO TV」で放映されるため、一般の知名度も高い。単に「ヒーロー」と呼ばれている。『無償の正義』ではなく、経済活動の一環なので、着用しているヒーロースーツには協賛スポンサー企業のロゴがプリントされている
NHKの放送ではスポンサー企業のロゴは消されるようです
HERO TV
アポロンメディア傘下のOBCが放送している報道番組。ヒーロー達が悪人を捕まえたり、活躍する様子を中継する番組。敏腕プロデューサーのアニエス・ジュベールによって人気番組になる。ヒーローの活躍度合いにより、ヒーローポイントを与えるなど、外連味の強い演出でヒーローたちを人気者にしている。尚、各シーズン(年間)で最多ポイントを獲得したヒーローはキング・オブ・ヒーローの称号で称えられる。
ワイルドタイガー/鏑木・T・虎徹
プロフィール
【ワイルドタイガー】
本名 | 鏑木・T・虎徹 |
---|---|
NEXT能力 | 「ハンドレッドパワー」(5分間だけ身体能力が100倍になる)。 |
二つ名 | 「正義の壊し屋」(犯罪者の確保や市民を護る為なら器物損壊を厭わない行動から) |
小学生の頃、NEXT能力のせいで、周りから嫌われて、人間関係が上手く行かず自身のNEXT能力を疎ましく思い、内向的な性格だったが、当時の大人気ヒーロー「Mr.レジェンド」から、「その力は人を護るためのもの。君も今日からヒーローだ!」と励まされて、ヒーローへの志を得る。
ヒーローとしての特徴
「ハンドレッドパワー」を活かした身体能力(ビル間を一跳びするジャンプ力や瓦礫を砕くパワー、銃弾を躱し暴走するクルマに追いつくスピードなど)で、猪突猛進的なヒーロー活動をする。得意技はパンチ。但し、大雑把で行き当たりばったりな性格で、能力は5分間しか使えないのに、後先考えずに発動して肝心なところで能力切れになる事もしばしばある。また、市民を護る為なら器物破壊を厭わない行動で、度々裁判所のお世話になり損害賠償を請求される。ポイントよりも人命を優先する為、ヒーローランキングは下位常連。グッズも売れず世間の人気は低迷している。しかし、ヒーロー学校の生徒たちからは慕われている。
所属していた出版社のTop MaGがヒーロー事業から撤退し、ヒーロー事業を買い取ったアポロンメディアにイケメンヒーローのバーナビー・ブルックスJr.を引き立てる為のサポート役として雇われ、コンビを組まされた。
人としての特徴
人情家でお節介。やや慎重さにかける部分もあり、早とちりでもある。その為、空回りしがちだが、一旦相手の事情を呑み込むと最大限相手の心情を慮るので、他人からは受け入れられやすい人格である。一方で、自分の悩みは一人で抱え込み勝ち。
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ファミリー
鏑木友恵(故人)
妻。病気で死別。虎徹とは同じ高校のクラスメイトで、ヒーローマニアだった。虎徹は、今でも結婚指輪を常に身に着けていて、彼女の事を愛している。彼女の「どんな時でもヒーローでいて」という言葉が、虎徹の心の支えになっている。
鏑木楓
一人娘。虎徹は溺愛している。危険を避けるために虎徹の実家に預けられている。触れたNEXTの能力をコピーする能力を持っている。かつてバーナビー・ブルックスJr.に助けられて、熱烈なファンとなる。
鏑木安寿
虎徹の母。楓と暮らしている
鏑木村正
虎徹の兄。実家の酒屋を継いでいる。一人で悩みを抱えがちな虎徹を心配している心優しい兄。
バーナビー・ブルックスJr.
プロフィール
本名 | ヒーロー名と同じ |
---|---|
NEXT能力 | 「ハンドレッドパワー」(5分間だけ身体能力が100倍になる) |
ヒーローの中で唯一本名と同じヒーロー名で活動し、顔も隠していない。幼い頃、目の前で両親を殺害されて、その犯人を捕まえるためにヒーローになった。ポイントを獲得するための計算をするなど、クールな合理主義者。当初、虎徹の事を見下して「オジサン」と呼んでいたが、その人柄に触れるうち、虎徹の良さを他者に力説するようになる。
ヒーローとしての特徴
ヒーローの中で唯一素顔を出して、本名で活動している。能力はワイルドタイガーと同じ「ハンドレッドパワー」(5分間だけ身体能力が100倍になる)。得意技はキック。虎徹と異なり、ここぞという時を慎重に選んで発動させている。その為、総合第1位を獲得したり、シーズン記録を更新したり、好成績を収める。
人としての特徴
イケメンで洗練されている。『外面はいいが、内面はクールな合理主義者』を装って実は素直で子供っぽいところがある。
生い立ち
「人を助けるアンドロイド」の研究を行っていた優秀なロボット工学の学者である両親との3人家族だったが、4歳のクリスマスイブの日に、炎に包まれた家の中でウロボロスの刺青を持つ人物に目の前で両親を殺害されている。幼少期から両親を殺害した犯人の手がかりを求め、一人で調査を続けてきた。孤児になった後は、アポロンメディアのCEO兼OBC社長(1期開始当時)であり、両親の友人だったアルバート・マーベリックの支援を受けて、ヒーローアカデミーに通う。
そしてヒーローになる際、ウロボロスへの宣戦布告と囮役になる目的で、亡き父の名「バーナビー」を受け継いで素顔を曝してヒーロー活動をすることを選択した。
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その他のヒーローたち
ブルーローズ/カリーナ・ライル
本作のヒロイン
所属企業 | タイタンインダストリー |
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NEXT能力 | 「氷を操る」 |
決め台詞 | 「私の氷はちょっぴりコールド、あなたの悪事を完全ホールド」 |
ヒーローとしての特徴
女王様キャラで売り出し中。手のひらやフリージング・リキッド・ガンから氷を発射し、自在に操る。海を一瞬で凍らせる事が出来るほど強力。氷を武器や足場など造作物にする事もできるなど何かと便利な使い方をする。但し、敵から銃口を向けられたりすると怯んで直ぐに逃げる。その時の仕草は可愛げがあり、ヒーローファンから「キューティー・エスケープ」と呼ばれている。
人としての特徴
所属事務所からキャラ作りとして女王様キャラを要望されているのでヒーロー時は高飛車な言動が多いが、普段は明るく真面目ながら意地っ張りの面もある快活で元気な女子高生。本来は歌手志望だが、その手段としてヒーローをやっている。悩みに対して真摯な対応をしてくれた、虎徹に好意を持っていて、周囲のヒーローたちもそれに気づいている。
最終回では本屋で『バツイチ子持ちを落とす100の方法』という本を立ち読みしていました
ロックバイソン / アントニオ・ロペス
所属企業 | クロノスフーズ |
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NEXT能力 | 「肉体硬化」(頑強な皮膚) |
別名 | 「西海岸の猛牛戦車」(ファンの間では「牛角さん」だったが・・・) |
ヒーローとしての特徴
巨体と持ち前の怪力を活かしてパワフルな活躍をするが、動きが他ヒーローよりは鈍重な分、犯人に逃げられるなどドジを踏むことも多々あるため、ランキングでは下位が定位置。
人としての特徴
虎徹とは学生のころからの腐れ縁。飲み友達。人情家で涙もろい。
スカイハイ / キース・グッドマン
所属企業 | ポセイドンライン |
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NEXT能力 | 「風を操る」 |
決め台詞 | 「ありがとう、そしてありがとう」 |
別名 | 「キング・オブ・ヒーロー」→「風の魔術師」 |
ヒーローとしての特徴
風の塊を投げつけて相手を攻撃したり、竜巻を纏った突進で耐久度の強い相手を粉砕したり、風の力で離れたポジションにいる戦闘ロボットを真っ二つにするなど、飛び道具のような遠距離攻撃力が高い。背中のジェットパックを利用して自由自在に空を舞うことができるが、ジェットパックが無いまま能力を使用した場合は、ただ自分が浮遊するだけに留まっている。
人としての特徴
日々の努力を怠らない、真面目でさわやかな好青年。
ドラゴンキッド / ホァン・パオリン
所属企業 | オデュッセウスコミュニケーション |
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NEXT能力 | 「雷を操る」 |
別名 | 「稲妻カンフーマスター」 |
ヒーローとしての特徴
優れた格闘術から繰り出す技に電撃を乗せた攻撃を放つほか、肉体自体に耐電性を持つ。武器として両端に龍頭を付けた棍棒を使って戦う。他のヒーロー達が取りこぼした犯人を度々捕まえるなど、生真面目な戦い方。
人としての特徴
幼い頃から格闘術の英才教育を受けている。ボク娘で、女の子らしい事が苦手。
折紙サイクロン/ イワン・カレリン
所属企業 | ヘリペリデスファイナンス |
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NEXT能力 | 擬態(触れた相手の姿形や声を完璧にコピーできる。但し、能力をコピーすることはできない) |
別名 | 見切れ職人 |
「見切れ」とはテレビ放送で本来見えてはいけないモノが見えてしまったこと、です。本来、折紙サイクロンを写さない場面(他のヒーローの活躍やインタビュー場面など)に、折紙サイクロンが顔を出す事が多いという意味です。
ヒーローとしての特徴
事件解決の中心になることはほぼなく、ランキングではいつも最下位近辺。折紙サイクロン自身の能力の有用性に疑問とコンプレックスを抱いているが、意外にコアなファンがいて、グッズの売れ行きは悪くない
人としての特徴
日本マニアで忍者に憧れている
ファイヤーエンブレム / ネイサン・シーモア
所属企業 | ヘリオスエナジー |
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NEXT能力 | 「炎を操る」 |
別名 | 「ブルジョワ直火焼き」 |
ヘリオスエナジーの社長。渋い声でオネエ言葉で話す
ヒーローとしての特徴
超高度の炎を攻撃にも防御にも自在に操る。
人としての特徴
企業のオーナーだけあって、ヒーローたちの仲を取り持ったり、虎徹に適切なアドバイスをするなど、頼れる人物。
カッツェがオネエ口調でじゃべるのは「おはよう忍者隊ガッチャマン」だけですが、造形は似ている感じもしますね
ルナティック
ダークヒーロー。独自の判断基準で悪党を粛清していく。ヒーローたちとは対立したり共闘したり・・・
正体
正体は、シュテルンビルト司法局のヒーロー管理官兼裁判官るユーリ・ペトロフ。実は虎徹がヒーローを志すきっかけとなったMr.レジェンドの一人息子。能力の減退で人格が荒れ果てDVを行うMr.レジェンドを能力で殺害したことでダークヒーローへの道を歩む事になる
ゴールデンライアン / ライアン・ゴールドスミス
劇場版「TIGER & BUNNY -The Rising-」から登場したヒーロー
NEXT能力 | 一定範囲内(半径30m程度)の重力増幅 |
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別名 | 「さすらいの重力王子」 |
決め台詞 | 「俺のブーツにキスをしな!」 |
これまでのお話
1期前半クール(1話~13話)
前半は、ワイルドタイガー(鏑木・T・虎徹)とバーナビー・ブルックスJr.がバディを組んで、お互いに反発しながら、ヒーロー活動の中で理解を深めて本物のバディとなるまでが描かれます。そして終盤、バーナビー・ブルックスJr.の記憶にある両親の仇として複数のNEXT能力を持つジェイク・マルチネスが登場して、これを倒すまでが描かれます
1期後半クール(14話~25話)
能力の減退が始まったワイルドタイガー(鏑木・T・虎徹)。遂には5分間ではなく、1分間しか能力が発動できなくなり、ヒーローからの引退を決意する。一方、バーナビー・ブルックスJr.の記憶は真の黒幕に改ざんされたものだった事が視聴者に明かされます。人の記憶が操れるNEXT能力を持つ黒幕は、真相の露見を恐れてブルックス家(バーナビーの実家)の家政婦だったサマンサを殺害。その罪を虎徹に擦り付ける。仲間のヒーローたちも記憶を改ざんされて、虎徹を捕まえようとする。追い詰められた虎徹は果たして・・!
虎徹と共にバーナビーもヒーローからの引退を決意しますが、ラストシーンで”二部ヒーロー”として復帰する姿が描かれて、1期は終わります
「TIGER & BUNNY -The Rising-」
”二部ヒーロー”としてヒーロー活動に復帰した虎徹とバーナビーが、色々あって一部ヒーローに復帰するまでが描かれます。