オペレーター
球界を代表する選手を、中位・下位(3位以下)から複数輩出した2016年ドラフト。そこから将来のドラフト成功の精度を上げるための教訓を考察します
前評判アテにならずとなった2016年のドラフト
育成重視の風潮で大卒投手バブルから高卒へ
オペレーター
2016年ドラフトは、大学生投手、高校生投手、大学生野手が大人気となりました
1位入札(2016年) | 1位入札(2017年) | |||
大学生 | 8球団 | 大学生・社会人 | 3球団 | |
高校生 | 3球団 | 高校生 | 9球団 |
ひとみん
翌年ガラッと変わる契機になったドラフトね
選手の活躍度(一軍での実績)に基づいて階級分け
風雅
なるべく機械的に採点をしたいと思います。それからプロ入り3年間では、高校生や素材型の選手など本領を発揮していない部分もあるかと思いますので、3年前~5年前は一応暫定版としておきます
ランク付け凡例(主要3部門:打率・本塁打・打点、防御率・最多勝・セーブ王)
超S級 球界を代表する選手 | 主要3部門のタイトルホルダーorベストナイン |
---|---|
S級 一軍の主力選手 | シーズン規定投球回数8割以上or規定打席数以上or 登板試合数5割以上 |
A級 (一軍の準主力選手) | シーズン規定投球回数半分以上or規定打席数8割以上or 登板試合数3割以上 |
B級 (たまに一軍で使われる) | シーズン投球回数30回以上or打席数60以上 |
C級 (戦力になっていない) | 支配下。シーズン投球回数30回未満or打席数60未満 |
D級 (育成契約) | 育成 |
戦力外 (退団) | 戦力外 |
3~5年前までのドラフトは暫定版の評価です。1年でもクリアしていれば暫定でランク付けします
オペレーター
短い期間なので、それぞれの活躍は単年度ベースで判定します。6年以上前になると、複数年での活躍で評価した方が良いかもしれません。
各球団のドラフトの評価なので、
退団後、他球団と契約できた場合も”ドラフト評価上”は「戦力外」とします。
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当時のドラフト評価
オペレーター
当時のドラフトの評価です。検索で上位に来たものをピックアップしていますので、他意はございません
風雅
概ね共通しているのは、勝ち組がソフトバンク、ロッテ、中日、オリックス、負け組が巨人、ヤクルト、日本ハム、広島、DeNA、阪神という評価です。
指名選手の実績
広島カープ、読売ジャイアンツ、DeNAベイスターズ
順位 | 広島カープ | 読売ジャイアンツ | DeNAベイスターズ |
1位 | 加藤拓也 | 吉川尚輝 | 濱口遥大 |
2位 | 高橋昂也 | 畠世周 | 水野滉也 |
3位 | 床田寛樹 | 谷岡竜平 | 松尾大河 |
4位 | 坂倉将吾 | 池田駿 | 京山将弥 |
5位 | アドゥワ誠 | 高田萌生 | 細川成也 |
6位 | 長井良太 | 大江竜聖 | 尾仲祐哉 |
7位 | 廖任磊 | 狩野行寿 | |
8位 | 進藤拓也 | ||
9位 | 佐野恵太 | ||
以下、育成 | |||
育1 | 髙井俊 | 笠井崇正 | |
育2 | 加藤脩平 | ||
育3 | 山川和大 | ||
育4 | 坂本工宜 | ||
育5 | 松原聖弥 | ||
育6 | 高山竜太朗 | ||
育7 | 堀岡隼人 | ||
育8 | 松澤裕介 |
阪神タイガース、ヤクルトスワローズ、中日ドラゴンズ
順位 | 阪神タイガース | ヤクルトスワローズ | 中日ドラゴンズ |
1位 | 大山悠輔 | 寺島成輝 | 柳裕也 |
2位 | 小野泰己 | 星知弥 | 京田陽太 |
3位 | 才木浩人 | 梅野雄吾 | 石垣雅海 |
4位 | 浜地真澄 | 中尾輝 | 笠原祥太郎 |
5位 | 糸原健斗 | 古賀優大 | 藤嶋健人 |
6位 | 福永春吾 | 菊沢竜佑 | 丸山泰資 |
7位 | 長坂拳弥 | ||
8位 | 藤谷洸介 | ||
以下、育成 | |||
育1 | 大村孟 | 木下雄介 |
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日本ハム、ソフトバンク、ロッテ
順位 | 日本ハム | ソフトバンク | ロッテ |
1位 | 堀瑞輝 | 田中正義 | 佐々木千隼 |
2位 | 石井一成 | 古谷優人 | 酒居知史 |
3位 | 高良一輝 | 九鬼隆平 | 島孝明 |
4位 | 森山恵佑 | 三森大貴 | 土肥星也 |
5位 | 高山優希 | 有吉優樹 | |
6位 | 山口裕次郎 | 種市篤暉 | |
7位 | 郡拓也 | 宗接唯人 | |
8位 | 玉井大翔 | ||
9位 | 今井順之助 | ||
以下、育成 | |||
育1 | 大本将吾 | 安江嘉純 | |
育2 | 長谷川宙輝 | 菅原祥太 | |
育3 | 田城飛翔 | ||
育4 | 森山孔介 | ||
育5 | 清水陸哉 | ||
育6 | 松本龍憲 |
西武、楽天、オリックス
順位 | 西武 | 楽天 | オリックス |
1位 | 今井達也 | 藤平尚真 | 山岡泰輔 |
2位 | 中塚駿太 | 池田隆英 | 黒木優太 |
3位 | 源田壮亮 | 田中和基 | 岡﨑大輔 |
4位 | 鈴木将平 | 菅原秀 | 山本由伸 |
5位 | 平井克典 | 森原康平 | 小林慶祐 |
6位 | 田村伊知郎 | 鶴田圭祐 | 山﨑颯一郎 |
7位 | 野元浩輝 | 飯田大祐 | |
8位 | 石原彪 | 澤田圭佑 | |
9位 | 高梨雄平 | 根本薫 | |
10位 | 西口直人 | ||
以下、育成 | |||
育1 | 千葉耕太 | 張奕 | |
育2 | 南要輔 | 榊原翼 | |
育3 | 向谷拓巳 | 神戸文也 | |
育4 | 木村敏靖 | 坂本一将 | |
育5 | 中道勝士 |
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平均点が高いセ、突出したパ
中位・下位指名からスーパースターが出た
オペレーター
活躍している選手の数では、セリーグが多いですね。でも、スーパースターと呼べる活躍は、山本(オリックス)と源田(西武)のいるパリーグでしょうか
風雅
その二人に、佐野(DeNA)を含めて、スーパースターと言っていいと思いますが、全員上位指名(1・2位)じゃないんですよね。この辺り、各球団がきちんと振り返りをして、修正してくるかどうかが、翌年以降のドラフトの精度に大きく左右してくると思われ明日
勝ち組条件、①超S級がいる、②S級が複数いる、③S級1名にA級が複数いる
勝ち組 | 西武、オリックス、DeNA、阪神、中日、巨人 |
---|
オペレーター
事前の低評価を覆したのがDeNA、阪神、巨人でしょうか
風雅
巨人は故障がちの選手が多く、これから先は随分怪しいですけどね。逆に、広島とかは、坂倉や高橋が成長して、長期的には勝ち組に入る可能性がでてますね
源田、3位指名の深層
即戦力ショートが人気になったドラフト
円城寺
では、スーパースター3人がなぜ上位指名では無かったのか、その辺りを考察してみましょう
風雅
この年は、即戦力ショートが人気でした。源田より上位に指名された選手では吉川(巨人1位)、京田(中日2位)、石井(日本ハム2位)がいます。丁度状況は、2013年ドラフトの捕手に似ていますね。あの年も梅野が4位まで残っていました
「捕手争奪戦だったドラフト」

【プロ野球ドラフト採点】2013年度ドラフト採点 広島・西武の連覇の礎となったドラフトプロ野球のドラフトは長期にわたるチームの浮沈に大きくかかわるイベントです。この記事は2013年度ドラフトについての記事ですが、後に広島カープが2016・2017・2018と3連覇、西武ライオンズが2018・2019と連覇する礎となったドラフトでもあります。何がペナントレースの行方を左右する分岐点になったのか?それを考察・分析します。...
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源田が1位、2位で指名されなかった理由
ひとみん
上位で指名された3人と何か違いはある?
風雅
上位で指名された3人は、全員大学生で源田より”若い”というのがあります。同じような評価なら若い選手を獲って、ノビシロに賭けたい、というのが恐らく本音でしょう
大学経由の社会人は年齢が高いので、上位指名では敬遠される傾向があった
ドロシー
確かに1位、2位だと、「ロマンが欲しい」と思っちゃうわね
大学経由の社会人はねらい目?!
風雅
確かにロマンは少ないですが、中位や下位で指名するのは、旨味があるかもしれないですね。昨年のドラフトでも阪神タイガースが中野を6位で指名しました
年齢で敬遠されがちな選手も、中位・下位指名ならお得!?
山本が4位指名になった理由
二つの四天王
オペレーター
次いで、オリックスに4位指名された山本を見ていきましょう
風雅
この年のドラフトでは、高校生投手について、二つの四天王がありました
全国版四天王
- 寺島成輝(ヤクルト1位)
- 藤平尚真(楽天1位)
- 今井達也(西武1位)
- 高橋昂也(広島2位)
九州版四天王
- 梅野雄吾(ヤクルト3位)
- 山本由伸(オリックス4位)
- 浜地真澄(阪神4位)
- 太田龍(プロ志望せず)※2019年に巨人2位
完成度の高さが低評価に?!
円城寺
全国版の方が知名度があるので、上位ですね。”四天王”以外でも、山本より上位で指名された高校生投手は、複数います
- 堀瑞輝(日本ハム1位)
- 古谷優人(ソフトバンク2位)
- 才木浩人(阪神3位)
風雅
山本投手は、試合を創る制球が素晴らしく、「完成度が高い」と言われていました。これも先ほどのノビシロ=ロマンがある、というのと同じで、「楽しみが少ない」と判断された可能性がありますね
高校生投手には、完成度よりも、未知の魅力を求めてしまう傾向がある
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佐野は守備位置が嫌われた?
なんと9位だった佐野
オペレーター
2020年度首位打者の佐野(DeNA)ですが、ドラフトでは9位指名でした
円城寺
なんか、溜息出ますね。指名を終えている球団も多いので、最後、もう一人って指名しておけば獲れたのにってシロウトとしては考えてしまいますね
ドロシー
でも支配下枠とかあるしね。無尽蔵には中々難しい。何かコレって決め手があればね
外国人選手とポジションが被る
オペレーター
佐野選手は一塁手という事で、外国人選手とポジションが被る事が嫌われたものと思われます
風雅
もう一つは、前後のドラフトで左打のスラッガーが存在感を見せていたことも影響しましたね
2015年 1位:高山(阪神)、吉田(オリックス)
2017年 1位:清宮(日本ハム)、安田(ロッテ)、村上(ヤクルト)
円城寺
ポジションが被るとどういう不都合があるんですか?
風雅
野手の場合は、試合に出場して、一定量の打席に立たないと成長しないと言われています。競合してしまうと、育成に悪影響が出ますね。植物が間引きを必要とするようなモノでしょうか
杉本との共通点
オペレーター
今年、大活躍しているオリックスの杉本も前年のドラフトで10位指名でした
円城寺
何か共通点ってあるのでしょうか?
風雅
共に外国人と守備位置が被るのですが、打力が良いという事ですね。特にパンチ力・長打力があります。プロに入って、確実性を増したので、打率も良いですが
守備位置が外国人選手と被る打力の良い野手はねらい目
3大教訓
大学経由の社会人は、年齢が高いが、狙い目でもある
完成度が高い高校生より、素材型を高く評価しがちである
打力が良い選手は化けると大きい
円城寺
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