円城寺
アニメ「魔女の旅々」の第一話「魔女見習いイレイナ」のレビュー&考察です。この作品、一見すると「萌え美少女ロードムービー」系かと思ってしまう作品ですが、一味も二味も違うので見る方は注意が必要です。
ドロシー
冷厳な現実とそれに対応するリアリストの主人公という事で、甘々なお気楽作品と思って観ている人の中には逆上する人も出そうね
風雅
実際、ネットではそういう逆上系のコメントも多いですね
TVアニメ『魔女の旅々』公式サイト
外部リンク
TVアニメ『魔女の旅々』公式サイト
GAノベル「魔女の旅々」(SBクリエイティブ刊)のTVアニメ化が決定!あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女が紡ぐ、出逢いと別れの物語…。
もくじ
アニメ「魔女の旅々」はこんな人におススメ!
アニメ「魔女の旅々」がおススメの人
魔女の旅々はこんな人におススメ!
◎本当はコワイ○○童話や○○昔話が平気!
◎チートな主人公が「何でもできる・すべての人を救える」ような甘々な作品は飽き飽き
◎人間の業や性をあからさまにする作品を受け入れられるメンタルがある
◎背景や魔法など劇場版並みの作画のTVアニメに価値を感じる
第一話主要キャラ紹介
イレイナ
主人公。第一話スタート時点は魔女を目指す少女だったが、第一話中に魔女となる。二つ名は「灰の魔女」。15歳で魔女になった天才少女かつ美少女で、かなり自惚れている所もある。魔女になり旅に出ることが目的。「我慢するな。嫌なことは嫌といいなさい」という師匠の言葉を実践している。第一話終了時点で18歳になっている
ドロシー
萌えとキレイ系の間のようなキャラクターデザインね。性格はビター系のリアリストといったところかしら
フラン
星屑の魔女。イレイナの師匠。イレイナの両親とも関係がありそう。常に笑っているかのように目が無い。第一話終了時点で元居た国に帰る
ひとみん
おっとりした話し方ですが、魔法に関してはかなりの使い手です
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第一話「魔女見習いイレイナ」の展開
魔女見習いイレイナの見どころ
円城寺
第一話「魔女見習いイレイナ」の見どころは?
風雅
優秀な少女の成長物語なんですけど、優等生的な部分と嫌なところというか、自分が優秀なことを鼻にかけているところがあるんですね。そう言う部分はリアリティがあって非常にいいです
ドロシー
優等生的なところも、外面の面もあるけど、ある種脅迫観念みたいに”努力して、我慢して、認められたい”、という未熟さが全面に出ているのが、徐々に自分らしさ、自然体である事の重要性を知っていくのね。そういう成長物語って、最近アニメでは少ないから貴重だわ
円城寺
エンディングのモノローグで自分の事を「美貌の魔女」というなど自信満々ですね。現在のTVアニメのヒロイン像に多い、”ある種の人たちの願望をキャラに詰め込んだお人形さんのような男にとって都合の良い女性キャラ”にうんざりしていた人には、ささりますよね。主人公キャラの魅力以外に見どころはありますか?
C2Cが描く、眼が奪われるような美しいアニメーション
ドロシー
たくさんあるわ。まず何と言ってもアニメーションが美しいわ。背景は絶品だし、魔女同士の闘いとなった”試験”もエフェクトの迫力十分で見応えがあったわ
円城寺
ufotableの描く写実的な美麗さとは、また一味違うファンタジーっぽい優しい色使いで目を奪われますよね
醜い部分も厭わず”人間”を描く
風雅
リアリティという面では、フランがイレイナの両親から依頼を受ける際に金銭を受け取っているんですね。今までの「現実逃避者の夢見る異世界」ものでは蔑ろにされる事が多かったのですが、人間霞を食って生きていくわけではないので、物語にリアリティを補強するいい内容だと思います
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母の訓示はこの作品の根幹
風雅
もう一つは、お母さんの訓示ですよね。三つ。これはこの作品の肝と言うべき部分ですね
母親が課した三つの約束
危ないと思ったら直ぐに逃げる
自分を特別だと思わない
必ず元気な顔を見せに帰ってくる
タイムライン
- STEP01アバン幼い主人公のイレイナが魔女の旅行記を読んで、魔女になって旅に出ることに憧れる。「魔女になったら旅に出ていい」という約束を両親とかわし、魔女を目指して史上最年少の14歳で魔女試験に合格して「魔女見習い」になったことがモノローグで語られる。オープニング映像は無し
- STEP02Aパート史上最年少で魔女試験に合格した事から周囲を見下すようになったイレイナ。魔女になる為には魔女の弟子になる必要があるが、史上最年少で魔女試験に合格したイレイナは疎まれ、国中の魔女から忌避される。有る時、イレイナは両親が「森に他所から来た『星屑の魔女』が住み着いた」という会話をしているのを耳にする。”他国の魔女”なら弟子にしてくれるのではないか、と考えたイレイナは星屑の魔女フランに会いに行く。フランに弟子入りする事になったイレイナだが、魔法は教えてもらえず、雑用ばかりさせられる。一か月経ち不満を募らせるイレイナを見たフランは「いい頃合いね」と言って「試験をする」とイレイナに告げる
- STEP03Bパート試験の内容はフランとの対決であった。一方的にやられたイレイナはついに号泣する。号泣するイレイナを見て慌てたフランは、謝罪しながらイレイナを抱きしめ、今までの仕打ちの裏事情を説明する。その内容は、挫折を知らないままだと良くないと考えた両親が、イレイナに挫折を教えて欲しいとフランに頼んだ、という内容だった。フランは、イレイナに「我慢しない事、自分を護るために嫌なことは嫌と言うこと」というアドバイスをする。そして一年間フランの元で修行をしたイレイナは無事、魔女になる事ができ、「灰の魔女」の二つ名を与えられる。フランはそのまま、イレイナに別れを告げ国に還る。イレイナは両親に旅立つことを告げ、旅に出るイレイナの映像でこのままエンディングだが、流れる曲はオープニング曲
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さいごに(気になる伏線)
円城寺
最後に気になった伏線をディスカッションしましょう
ドロシー
やっぱり一番はフランが誰に逢いに来たかってことね
円城寺
普通に考えればイレイナの母親でしょうか
風雅
お母さん「魔女の旅」に詳しすぎですもんね。約束した①キケンなら逃げる②自分を特別な人間とは思わない③必ず元気な顔を見せる、はこれからの彼女の行動原理を左右するのでしょう
ドロシー
あの冒頭の旅行記を書いた魔女と同一人物なら色々と辻褄が合うわ
円城寺
そうですね。イレイナが天才的な魔法使いなのも「遺伝」という事で納得性がでますからね
風雅
遺伝という意味では、あのお父さんは無いでしょうから
ひとみん
お父さん泣きすぎ
風雅
まあ、娘に旅立たれる父親なんてあんなもんですよ
ドロシー
寧ろあの夫婦の馴れ初めが気になるわ。多分やらないでしょうけど
円城寺
見どころ十分な作品でした。続きが楽しみですね!