円城寺
テレビアニメ「魔女の旅々」の第九話「遡る嘆き」のレビュー&考察です。久しぶりの鬱回となりました。公式HPに”警告”が出ているように豆腐メンタルの人は観ない方がいいです
TVアニメ『魔女の旅々』公式サイト
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TVアニメ『魔女の旅々』公式サイト
GAノベル「魔女の旅々」(SBクリエイティブ刊)のTVアニメ化が決定!あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女が紡ぐ、出逢いと別れの物語…。
ひとみん
ストーリーを見たい方はいつもの通り、目次からタイムラインに飛んでね
もくじ
心臓が高鳴る緊迫感、観ていてドキドキする
明るいアバンとオープニングを飛ばす構成
ドロシー
正直に言って、事件の真相はある程度読めていたけど、それでも映像や演出が卓越していて、ショッキングだったわね。観ていて心臓の鼓動がバクバクいっているのが分かったわ
風雅
出だし、アバンのところは”のほほん”としながら、あの明るいオープニング映像は飛ばすんですね。そのあたりの構成は流石だな、と感じました
3話、4話と異なる、感情を爆発させたイレイナ
円城寺
4話や3話も、シリアスなお話でしたが、また雰囲気が違うというか、オープニング無しで、エンディングも映像は無しでっていう演出は特別な感じですね
ドロシー
だって、3話も4話も、最後はイレイナは感情を押し殺して旅立ったけど、今回は感情を爆発させるんだもの。どれだけショックだったか、という事ね
円城寺
イレイナの事を「木枯し紋次郎」みたいって、言ってましたけど、今回はまるで呪文のように「私は旅人・・・」と言うイレイナは必死に自分の無力さ未熟さと向き合っているようで胸が締め付けられました
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序盤、エステルと張り合うイレイナ。でも・・・
ひとみん
最初のエステルとの会話は、いつもの自意識過剰でプライドが高く、ある種不干渉主義的なイレイナで、いつもの感じだなあ、と思った
ドロシー
二人とも天才少女なんだけど、エステルの方が少し上で、イレイナが少し嫉妬気味
円城寺
その点エステルは少し大人で、包容力をもってイレイナの自己主張を受け流している感じで、イレイナが徐々にエステルの人柄に魅かれていくのが分かりますね
風雅
イレイナは報酬のお金目当てという基本線はあるのですが、段々とエステルの力になりたい、というのが表面に出てくるのが手に取るようにわかるんですね。その極めつけが、率先して「魔力を共有する指輪」つけるところですね
Aパートのまとめ。謎とキー項目の整理
風雅
まず、観ている側としてはいくつかの疑念が出て来ますね。エステルの言っている事は何処までが真実なのか?それはエステルがウソをついている可能性もあれば、彼女が真実を知らない可能性もある訳で、オーディエンスとしては、無意識にその辺りから考察しながら観る訳ですね
エステルの話はどこまでが真実なのか
ドロシー
そして最大のキー項目がこれよね。大体エステルの説明には大きな矛盾があるのよね
【10年前の事件の謎】
セレナの両親を殺害したのは果たして誰か?
その動機は何か?
風雅
エステルの「説明の矛盾」にある時点でイレイナも気づくのですが、時すでに遅しでした
ドロシー
犯人候補としては、①エステル②セレナ③叔父さん④無関係な人etcといくつか候補を上げながら、ドキドキしながら観たわ
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残酷な真相と結末に嘆くイレイナ
10年前のセレナとの出逢い、振り返った彼女は
円城寺
10年前のセレナと出逢って、思わず彼女を抱きしめるエステルですが、このシーンも意味がありましたね
風雅
そうですね。そして、セレナのお父さんの態度もなんだかなあ、と言う感じでした
ドロシー
「うなじ」とか、「首のライン」とか、おいおいって感じ。
風雅
イレイナも推理力があるので、事件の矛盾に気づいていくんですね。物盗りがメッタ刺しにするか?という矛盾に
最悪の悲劇を止められると思ったイレイナ。しかし・・・
円城寺
そして、衝撃のシーンですが、これは言葉で説明するより、実際に見て頂くのがいいですね。
ドロシー
ここで最悪の悲劇に向かって、物語はドンドン”エスカレーション”していくんだけど、イレイナがその悲劇を止める手段に思い至るのね。でも・・・
「何かを代償にする魔法」は意味が違った
円城寺
「10年の時を遡る魔法」の話をエステルがしたときに「何を代償にしたんですか?」とイレイナが聞きますね。この時に、”記憶”や”声”、という喩が出てくるのですが、これは4話のミラロゼや6話のエイヘミアのお話です。でも、『この意味が違った』、というのもある種のカタストロフィーでした

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風雅
そうですね。私も素直に[「何かを代償にする魔法」=「10年の時を遡る魔法」]だと思いました
ドロシー
「何かを代償にする魔法」ってそう言う意味だったの!ってこれは考えが至らなかったわ。
「何かを代償にする魔法」はどんな結末を生むのか
母の教え「自分を特別な人間だと思わない」
ドロシー
最後は、1話でお母さんに言われた「自分を特別な人間だと思わない」という教えをかみしめているようだったわ

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円城寺
魔法もの、ファンタジーものですけど、冷酷に主人公の限界、現実を見つめるところがあるんですね。この辺り、主人公が何でも出来てしまうチートハーレムや、万能幻想に浸る現実逃避のアニメと一味違う所ですね
ドロシー
チートツール使って、ゲームで無双して喜ぶような人には向かない、という事ね
母との約束
危険だと思ったら逃げる
自分を特別な人間だと思わない
必ず帰って元気な顔を見せる
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第九話「遡る嘆き」アウトライン
登場する主要キャラ
エステル
薫衣の魔女。13歳で魔女になったイレイナを上回る天才少女。セレナを処刑した過去を変えたいと考えている
セレナ
「二丁目殺人鬼」と呼ばれる国で有名な快楽殺人鬼。エステルの幼馴染で親友だったが、両親が殺害される不幸な事件を契機に叔父から虐待を受け、叔父を殺害し、快楽殺人鬼となる。エステルにより捕縛されて処刑される
タイムライン
- STEP01アバンとある国で金欠を嘆くイレイナ
- STEP02オープニング映像オープニング無し
- STEP03Aパート金欠に悩むイレイナは、「魔女募集」の広告を目にして、広告主の「薫衣の魔女」エステルを訪ねる。エステルとの会話で彼女が自身を上回る天才であることに対抗心を燃え上がらせるイレイナ。エステルに報酬の事を聴き、莫大な金額に驚く。依頼の内容に警戒するイレイナはエステルから仕事の内容を聴く。内容は概ね以下の通りであった。
〇エステルには幼馴染で親友のセレナがいたが、彼女は両親が殺害された10年前の事件が契機となり、快楽殺人者になってしまった
〇セレナを捕まえて処刑したのはエステルであった
〇エステルは魔法で10年前に戻り、セレナが快楽殺人鬼になる契機となった事件を止めたい
〇しかし、「10年の時を遡る魔法」で自分の魔力は尽きてしまう
〇そこで、魔女に同行してもらい、その魔女に「魔力を共有する指輪」を嵌めてもらって、魔力を供給して欲しい
イレイナはエステルの身体を気遣いながらも、同行する事を承知する
- STEP04Bパート10年前に移動したエステルとイレイナ。しかし、魔法の効力は1時間しかない。急いで行動する二人は偶然、幼いセレナと出逢う。その時のセレナの態度に違和感を持つイレイナだったが、エステルはセレナの態度はあんなものだが、内面は違う、と取り合わない。計画通りセレナの両親が被害に合わないように、家の外に連れ出すエステル。その後、二人で犯人を取り押さえる手筈であったが、イレイナはある矛盾に気づく。その時、エステルが何者かと魔法を使って闘いを始めた。イレイナが危険を避けるため、おっとりと駆け付ける途中で、魔力の使用が終わる。イレイナがその場に到着すると衝撃の事態が起こっていた・・・。
- STEP05エンディング映像エンドロールのようなエンディング