オペレーター
大河ドラマ「晴天を衝け」を10倍楽しむ為の解説レビューです。ドラマではあまり触れられないような時代背景や、経緯などを解説しながらレビューします。第8話では安政の大獄の始まりが描かれます
もくじ
栄一と千代の結婚が決まる
自ら身を引いた喜作
【あらすじ①】
喜作は栄一に剣術勝負を挑む。勝負の最中、栄一を応援する千代。勝負は僅かな差で喜作が勝つ。千代と栄一の想いを知った喜作は、身を引いて栄一に千代を託す
ドロシー
さわやか青春ドラマみたいな展開だわ
円城寺
そうですね。何はともあれ、丸く収まって良かったです
井伊大老誕生
将軍家定のワガママ
【あらすじ②】
将軍家定が大老に井伊直弼を指名する。井伊直弼は,将軍継嗣問題について、将軍徳川家定の意志として、後継将軍を紀州慶福(徳川家茂)で決める。そして後継に一橋慶喜を推した川路聖謨は西丸留守居役に左遷される。その頃、日米修好通商条約が勅許をえないまま締結される。登城して違勅を責める一橋慶喜だが、朝廷に申し開きに行くという井伊直弼の返答を受け入れる。また、徳川慶福を後継将軍(十四代将軍徳川家茂)に決めた事を喜んで受け入れる。一方、徳川斉昭らは登城日で無い日に登城して井伊直弼を詰問する。
ビックリ大老が井伊直弼
ひとみん
井伊直弼が大老になったことを皆驚いて非難してたけど実際そうだったの?
円城寺
そうですね。当時の人にとっては驚きだったみたいですよ
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日米修好通商条約は不平等条約なのか
今の価値観で測ってはいけない
ひとみん
日米修好通商条約は不平等条約って言われているけど実際はどうなの?
風雅
”不平等条約”って言われている根拠は、関税自主権と治外法権ですね。でも、別の見方もあるのですよ。例えば、関税自主権ですが、当時の日本に関税自主権という概念はありませんでした。また、日米修好通商条約で締結された関税20%は決して低い関税ではなく、実際、当時の日本の貿易は輸出が多く、輸入品は殆どありませんでした
ドロシー
天津条約の関税5%に比べれば、20%はヨーロッパ列強並みの関税で決して低くは無かったの、少なくとも当初は。長州が始めた下関戦争の賠償金代わりに関税が5%に引き下げられたのが問題で、それにより日本は輸入超過になり、国内産業が打撃を受けた
円城寺
え~。それじゃ悪いには長州じゃないですか!?
風雅
勝てば官軍で、悪い事は何でも幕府に押し付けられた面はありますね
関税は当初20%でヨーロッパ列強と同程度であった。
これが5%(天津条約並み)に下げられたのは長州藩のせい(下関戦争の賠償代わり)である。
治外法権は祖法
ひとみん
治外法権は?
風雅
これも日本の法は日本人の為の法なので、外国人は外国の法で裁いてくれって感じだったんだと思います
ドロシー
条約以前の当時の攘夷思想の問題よね
その他
風雅
その他にも、「アヘンの貿易は禁止」とか「ヨーロッパ列強との揉め事があれば、アメリカが仲介する」(=安全保障)とか、当時の日本の関心事項は条約に盛り込まれていて、ドラマから受ける印象とは随分違うと思います
円城寺
なるほど。不平等な部分も確かにあったけど、当時の日本の状況を考えれば、一方的に日本が譲歩させられた訳ではないのですね
ドロシー
条約の中身的にはそうよね。当時、問題視されたのは、違勅という事だから、形式や手続きなのよね
磯村勇斗が演じる徳川家茂とは
「貴公子」徳川家茂
オペレーター
後の十四代将軍徳川家茂が登場しました。演ずるのは磯村勇斗です。
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オペレーター
因みに大河ドラマで徳川家茂を演じた歴代の俳優さんはこちらになります
作品名 | 俳優名 |
勝海舟 | 十代目 坂東三津五郎 |
花神 | 小林芳宏 |
翔ぶが如く | 若菜孝史 |
徳川慶喜 | 進藤健太郎 |
篤姫 | 松田翔太 |
龍馬伝 | 中村隼人 |
八重の桜 | 葉山奨之 |
花燃ゆ | 大地伸永 |
西郷どん | 勧修寺保都 |
円城寺
21歳で夭折したので、イメージ的には青年武将でイケメンが多いですね。後は、公武合体で和宮と結婚したので、高貴というイメージがあるのでしょうか、家柄の良い俳優さんもチラホラいますね
ドロシー
慶喜ほどの野性味は無いけど、実際には行動的だったりするのよね。ずっと江戸城に籠っていた他の将軍と違って
徳川将軍として、230年ぶり(三代家光依頼)に上洛
長州征伐では総大将として出陣
果たして本当にイケメンだったのか?
ひとみん
史実的にはイケメンだったの?
ドロシー
遺骨から顔の特徴は解ってるわ。面長で鼻が高いの。でも出っ歯。まあ、だから肖像画は合ってるんじゃない?
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「安政の大獄」始まる!
家定の執念
【あらすじ③】
徳川家定は井伊直弼に「一橋派を処分せよ」と遺言を残す。井伊直弼は不時登城という微罪にも関わらず、遺言通り、徳川斉昭、松平慶永らに処分を下す。しかも、何の罪も無い(不時登城ではなかった)一橋慶喜にまで、「上様の思し召しである」という理由のみで処分を下す。この状況に市井の攘夷派は騒然となる。
一方、血洗島では栄一と千代の祝言が執り行われていた。
本当に家定の意志か
オペレーター
ドラマでは処分は将軍徳川家定の意志、という説を取っていますが、井伊直弼の独断と言う説を取る人もいるようです
風雅
家定が亡くなった後、事態(安政の大獄)がエスカレートするので、井伊直弼の独断説にも説得力はあるのですが、やはり徳川家定の意志と言う方が、しっくりきますね
ドロシー
慶喜を嫌っていたというのは、資料にも有るし、そもそも自分の想い(一橋派嫌い)を実現させるために井伊直弼を大老にしたのだからね
円城寺
この後、安政の大獄がエスカレートするのは?
風雅
専制政治家の強権政治が、弾圧の味をしめてエスカレートするのは現在でも一緒ですからね