オペレーター
大河ドラマ「晴天を衝け」を10倍楽しむ為の解説レビューです。ドラマではあまり触れられないような時代背景や、経緯などを解説しながらレビューします。第21話「篤太夫、遠き道へ」では、渋沢篤太夫(=栄一)は、一橋喜の命により、訪欧使節団の一員として、パリ万博に行くことが決まります
円城寺
”その時、歴史が動いた”という視点では、「孝明天皇の崩御」が、大きな出来事としてあげられます。歴史上は、14代将軍徳川家茂の死去よりも大きな出来事でした
ドロシー
当時の状況を整理してみましょう
孝明天皇
幕府、特に徳川慶喜、松平容保など京に駐留する面々を信頼。長州を嫌っている
次期天皇の睦仁親王は、長州シンパの中山忠能の孫である
ひとみん
つまり、天皇が幕府好き・長州嫌いから、長州好きに変わったんだね
もくじ
歴史が動いた天皇崩御
流布された暗殺説
オペレーター
孝明天皇の崩御ですが、信頼されていた慶喜にとっては、かなりの痛手だったようです。維新に向け、大きく針が動いた出来事だっただけに、当時、暗殺説が流布されました
円城寺
イギリスの外交官、アーネスト・サトウが著書に書いていますね
当時から暗殺説があった
ひとみん
当時、天皇は何歳だったの?
風雅
三十六歳ですね
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否定された『毒殺説』
オペレーター
ただ、毒殺説については、その後の医学的見地からの研究で、否定する論文が発表されて、今では殆ど主張されることはなくなりました
ドロシー
あとは、可能性があるとすれば細菌テロみたいな感じだけど、可能性は薄いわね
種痘をしていたら
円城寺
作中でも出ていましたが、睦仁親王は種痘をしていて、孝明天皇は、種痘をしていませんでした。その差が大きかったと言えます
ひとみん
「種痘」って何?
ドロシー
天然痘の予防接種ね。今でいうワクチンよ
睦仁親王
種痘をしていた孝明天皇
種痘をしていなかった登場人物の考察
原市之進のその後
オペレーター
慶喜に命じられて、渋沢篤太夫(=栄一)にパリ行きの話を持ってきた、原市之進ですが、その年の8月に暗殺されます
ドロシー
あらっ、この人もなのね
円城寺
元々、水戸藩の人だったんですね。徳川斉昭に見出されて出世したので、斉昭の希望通りに、慶喜を将軍にする事は悲願だったわけですね
風雅
直接のきっかけは、兵庫開港問題だったと言われています
斉昭に取り立てられた原市之進が開国に動くのは、攘夷派からしたら裏切り行為に見えた
ドロシー
この人もある意味、慶喜の身代わりだったのね
志尊淳の役
オペレーター
志尊淳が演じていた杉浦譲(通称=杉浦愛蔵)は、後に明治政府の役人として、前島密と共に働きます
ドロシー
前島密と言うと、1円切手の人よ
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船の中での生活
渋沢栄一の食レポ
オペレーター
作中ではあまり詳しいシーンは無いようですが、当時の日記から、渋沢篤太夫(=栄一)の生活ぶりがわかります
船内生活のタイムテーブル
朝7時起床
10時モーニング
13時ティータイム
17時ディナー
20時ティータイム
ひとみん
一日2食だったんだ
円城寺
午後のティータイムが食事並みのボリュームだったようですね
ひとみん
どんなものを食べたの
オペレーター
では、ある日のメニューです
モーニング
豚の塩漬け
パン+バター
フルーツ盛り合わせ(みかん、ブドウ、梨、ビワなど)
魚、鳥、豚、牛、牝羊の肉
ティー
午後のティータイム
ブィヨン
コーヒー
塩肉、フルーツ、漬物?
ディナー
スープ
肉料理又は魚料理 数種
デザート(カステラ、フルーツ、アイスクリームなど)
ドロシー
味の感想は?
円城寺
すこぶる美味しかったとの事ですね
フランス語の勉強
ひとみん
船内ではそれ以外に何をしていたの?
円城寺
語学、主にフランス語の勉強をしていたようです
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小栗忠順(上野介)
過去も未来も見通す
オペレーター
小栗忠順は、渋沢篤太夫(=栄一)の過去の行いを承知の上で、託します
ひとみん
あの会話もあったの?
風雅
会話の内容は、ほぼ資料通りですね
ドロシー
滞在費の心配をしたのね。それに対して「自分が勘定奉行の間は大丈夫」だと。でも幕府が何時まで持つか分からない、という返答でしたね
風雅
渋沢篤太夫(=栄一)は、幕府からの仕送りが途絶えた場合の備えをするようになるわけですね。史実では事情により帰国する事になりますが
ドロシー
多くの事が学べるって、言われていたわね
渋沢篤太夫(=栄一)の過去も、幕府の行く末も見通しながら、日本の為に尽くす小栗忠順
「共に励もうぞ」が悲しすぎる
円城寺
史実を知っていると、小栗忠順の言葉が切ないですね
風雅
戊辰戦争では、たくさんの人が亡くなりますからね
戊辰戦争では、渋沢篤太夫(=栄一)の最も身近な身内も命を落とす