オペレーター
多くの支持を集める、大河ドラマ「晴天を衝け」ですが、通常より短い全41話であることが、発表されました。現在23話ですから、既に折り返しを過ぎて後半に入っている事になります。
また、オリンピック期間中は三週間放送が休止されます。そこで、この記事では後半の見どころを展望してみたいと思います
ひとみん
この記事では、渋沢成一郎や、尾高淳忠、渋沢平九郎などが参加した振武軍と新政府軍の戦い、「飯能戦争」を解説します
『振武軍』結成の経緯
慶喜、寛永寺にて謹慎
オペレーター
振武軍の元となった「彰義隊」は、渋沢成一郎を頭取にして、浅草に本拠を置きました
円城寺
上野の寛永寺に謹慎している慶喜を守るという意味で、当初は、旧一橋家の家臣が中心になったのですね
【余談】慶喜はなぜ謹慎の場所に寛永寺を選んだのか?
一般には、寛永寺が徳川の菩提寺だから、と考えられていますが、元々寛永寺の門跡が、天皇の親王(ありていに言えば、当初は徳川幕府が、天皇の側から人質を取っていた。名目は、京に何かが有った場合の災害対策バックアップ)だった事が大きいと考えられます。
新政府との交渉に、その門跡「輪王寺宮」の力を頼った、と考えられます。
実際、「輪王寺宮」が、新政府軍に交渉に行っています
オペレーター
一旦、浅草に本拠を構えた「彰義隊」ですが、3月には、江戸総攻撃に備え上野に移動します
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振武軍、上野を離れる
江戸総攻撃の中止、慶喜の水戸への移動(謹慎の場所が水戸に定められた)に合わせて上野から移動を主張した渋沢成一郎ですが、大半の隊士は納得せず、やむを得ず、少数の同志と共に箱根ヶ崎に移動します。この少数の軍が「振武軍」となります
箱根ヶ崎とは
円城寺
つまり方針の違いにより、「彰義隊」が分派したわけですね
- 慶喜の助命という目的が達成された
- 目立つ場所に居れば真っ先に壊滅させられる
- 江戸が戦火に巻き込まれる
- どこか地方なら新政府軍の隙をついて、一城の主になれるかもしれない
「振武軍」、包囲殲滅される
「彰義隊」の壊滅で飯能へ
オペレーター
「彰義隊」が攻撃された場合に、支援に向かう為、箱根ヶ崎にいた振武軍ですが、「彰義隊」壊滅の報を受けて、もっと江戸から離れた旧一橋領の飯能に向います
この時、「彰義隊」の敗残兵が多く加わるのですが、その中にスパイがいたらしく、素早く政府軍に包囲されてしまいます
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<余談:旧幕府軍側の蹉跌>
彰義隊の壊滅で日和見していた関東諸藩が、新政府軍側になびく
オペレーター
彰義隊が勢いを持っていた頃と異なり、振武軍にとって情勢はかなり悪化していたと考えられます
円城寺
この辺り、現状認識と実際の情勢との間にギャップがあって、判断を誤る事が多かった可能性が高いですね
秩父への撤退か、抗戦か
オペレーター
包囲された時に尾高淳忠は、秩父への撤退を主張しますが、主戦派が一回も戦わずに撤退する事を良しとせず、結局、「一度夜襲をかけて上手く行かなかったら秩父で集結して再起」という中途半端な作戦をとります
この時、三つの夜襲部隊が形成されますが、そのうちの一つを渋沢平九郎が率いる事になります
ドロシー
渋沢成一郎や、尾高淳忠などの本隊は能仁寺に本営を設置して、飯能の守りに着いたわけね
渋沢成一郎、尾高淳忠は能仁寺の本営、
渋沢平九郎は夜襲部隊を率いて智観寺に布陣と戦場が別れる
夜襲は失敗
オペレーター
この時、渋沢平九郎は、寡兵で大軍を破った桶狭間の合戦の再現を夢見ていたと言われています
偶然、川越藩兵と遭遇した平九郎は「夜襲は見破られた」と考えて、夜襲を中止します
円城寺
川越藩兵も一旦引きますが、夜明けとともに総攻撃が開始されます
新政府軍の指揮官は大村藩の渡辺清左衛門。夜明けとともに一斉攻撃を指示
「振武軍」壊滅
渋沢成一郎、尾高淳忠の本隊は、大村、佐土原、岡山の各藩と戦闘
渋沢平九郎の部隊は、川越、久留米、福岡の各藩と戦闘
オペレーター
夜明けとともに始まった戦闘は、多勢に無勢に加えて、新政府軍には、四斤山砲という軽量の大砲があり、「振武軍」は午前11時ごろには壊滅しました
ドロシー
でも本当の生き残り戦争はこれからよ。実際の戦争では、戦闘よりも敗残兵刈りで命を落とす人が多いわ
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落ち武者狩り
秩父を目指さなかった成一郎
オペレーター
戦後、「振武軍」は散り散りになって逃亡しますが、渋沢成一郎は、尾高淳忠他2名の計4名で逃亡します
渋沢成一郎も、尾高淳忠も「振武軍」を結成した事を後悔していたと言われています
(後悔の理由)
慶喜の助命と言う目的は達せられたのだから、欲をかかずに、生き延びる事を考えるべきだった
円城寺
渋沢成一郎と尾高淳忠は、潜伏場所が旧一橋領でもあり、成一郎の人脈で領民に道案内をしてもらい、囲いを抜けますが、秩父は目指さず、上州の伊香保に逃げ延びます
安全な道を選ばなかった平九郎
オペレーター
一方の平九郎は、皆と逸れて、一人で逃亡していました
円城寺
そこで23話の記事でも紹介した「平九郎茶屋」にて休憩をとるんですね
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その茶屋の婆さんから、安全な道を教えられるのですが、「行くところがあるから」と言い、別の道を選び、芸州藩の探索兵に見つかり、追い詰められて自刃したと伝えられます
ドロシー
推察だけど、行くところというのは、秩父でしょうね。生真面目で一本気だわ
【成一郎、淳忠】
- 4人で行動して、成一郎の顔効きで一橋領の領民に道案内をしてもらった
- 「振武軍」を諦めて秩父を目指さず、上州伊香保に向った
【平九郎】
しばらく経つと、新政府は、飯能戦争のことなどすっかり忘れるので、尾高淳忠はお咎めなし
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兵どもが夢の跡
越生町の特集ページ
www.town.ogose.saitama.jp
外部リンク
H27-04 渋沢平九郎自決の地/越生町ホームページ
http://www.town.ogose.saitama.jp/i/kamei/shogaigakushu/shogaigakushu/gyomuannai/kyoikuiinkai/shogaigakushu/bunkazai/kaisetsu/explanation_cultural/H27_04.html
越生町のホームページです。
風雅
資料上も美男子と書かれているのでイケメンであったことは間違いないと思います
越生駅西口総合案内所では期間限定で渋沢平九郎展
生家
オペレーター
因みに、飯能戦争後、尾高淳忠は、血洗島に戻り、渋沢成一郎は、函館まで転戦します
渋沢篤太夫(=栄一)が帰国した当時、渋沢成一郎は函館にいた。平九郎の死に成一郎の責任が大きいと感じたのか、篤太夫(=栄一)は、成一郎宛ての手紙に「潔く戦死されよ」と書いている。後に見受け人になるなど和解。
渋沢栄一が建てた碑
亡くなったのは旧暦5月23日(7月12日)と伝えられる。
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