オペレーター
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第8話、「いざ、鎌倉」の感想解説です。
北条義時と石田三成と小栗旬
大軍を支える北条義時
オペレーター
行軍の順列から宿舎の手配まで、豪族たちの力関係や功績に配慮しながら、不満が生じない様にやりくりする北条義時の姿が描かれました
円城寺
お奉行さんと言えば小栗旬は大河ドラマで五奉行の石田三成役を二度演じているんですね
北条義時役の小栗旬は、大河ドラマにおいて、『秀吉』と『天地人』で石田三成を演じた。
秀吉と頼朝の共通点
風雅
逸話として、秀吉が頼朝を大変意識していたものが残っていますね
小田原遠征時に秀吉が白旗神社の頼朝像に向かって
「我と御身は共に微小の身から天下を平らげた。しかし御身は天皇の後胤であり、父祖は関東を従えていた。故に流人の身から挙兵しても多く者が従った。我は氏も系図も無いが天下を取った。御身より我の勝ちなり。しかし御身と我は天下友達なり。」
と語ったという。
円城寺
頼朝も秀吉と同じように”微小の身”から大軍を率いるようになって、同じような苦労をするわけですね
ドロシー
頼朝の場合は、”貴種”というアドバンテージがあったから多少は有利でしょ、って感じだけどね
御家人たちは、累代の家人で無い分、忠誠心が低く価値観の共有も難度が高い。その分、間を取り持つ奉行的役割の北条義時の苦労は大きい。
風雅
独立心の強い坂東武者と都育ちの頼朝一門とは中々価値観の共有は難しいですね
秀吉も頼朝も累代の家臣を持たず、与力してくれるよそ者の力をまとめ上げなければならなかった点は同じ。しかし、頼朝は血筋が貴種である拠り所があった。
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畠山重忠を許した本心
円城寺
そういう意味も含めて畠山重忠を許したのでしょうか?
この時期、味方になる意志のあるものには寛容
ドロシー
この時期は、雪だるま式に自軍を大きくしなければいけない時期だったから余計に寛容にならざるを得なかった
風雅
敵(平家)は強大だし、競争相手(他の源氏)も多かったので、味方の選り好みはしてられないってところでしょうか。勿論、敵対した者への見せしめは必要でしたが、最小限にしていますね
そして梶原景時も帰順する
円城寺
過去に敵対していた者も、帰順するものは次々に吸収するから短期間に勢力を拡大出来たわけですね
弟・全成を贔屓する頼朝
オペレーター
前回登場した全成が頼朝の側近のような状態になっていました
円城寺
頼朝にしたら今まで側に身内が全くいない心細い状態だったので、ちょっと特別扱いする心情も理解できますね
子飼いの部下が殆どいない心細さから、血を分け合った身内を取り立てる方向に行く
ドロシー
でも、それだと関東の豪族たちが面白くない。そこを北条義時、三浦義村が上手く取り持つシーンが描かれたわね
関東の豪族たちの不満が爆発しない様に慰撫する北条義時
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風雅
でも、北条義時にとっては、こういう経験が後々、人心を掌握するのに役立つわけですね
苦労する中で人心掌握術を学ぶ北条義時。後の北条流の幕府ガバナンスに活かされる
風雅
石田三成に人徳がなかったかどうかはわかりません。現在史料を基に伝えられている人物像は、殆どが後世の逸話で徳川の色メガネが入っている可能性があるので。ただ、北条義時は勝者になって、石田三成は敗者になったので、環境面も含めて、どこか北条義時が優れている面があったのでしょうね
今も昔も飲みニケーション?
オペレーター
そして、頼朝と豪族たちの中を取り持つために三浦義村が考案したのが、今でいう「飲みニケーション」でした
風雅
普段、建前を前面に出している分、酒の力で建前のバリアを取り除いて、本音を言い合うという儀式ですよね。それでお互いに親近感を持つわけですね
円城寺
この辺りの日本的なコミュニケーションの取り方は今も昔も変わらないってことですね
『武衛』とは兵衛府という官庁組織の一つ。そこの長官は「督」。次官が「佐」。頼朝は兵衛佐だから”佐殿”と呼ばれた。
ドロシー
でも頼朝も関東武者を内心では、「田舎者」と見下しているクセにそういう所はおくびにも出さないのは役者よね
頼朝の兄弟たち
9人兄弟
ひとみん
義経とか全成とか出て来たけど頼朝の兄弟って全部で何人いるの?
オペレーター
頼朝も含めて9人兄弟と言われています。以下になります。ドラマに登場する人物は、演じる役者名を付記します
長男【義平】
次男【朝長】
三男【頼朝】(大泉洋)
四男【義門】
五男【希義】
六男【範頼】(迫田孝也)
七男【全成】(新納慎也)
八男【義円】(成河)
九男【義経】(菅田将暉)
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ひとみん
9人兄弟だけど、ドラマ開始時点で既に4人は死亡していたって事?
オペレーター
五男【希義】は、頼朝の挙兵時(1180年)に平家によって討たれています。それ以外はドラマ開始時点で他界しています
尚、長男の義平は、木曽義仲の父親を討っています
義経3兄弟
円城寺
兄弟のうち、全成、義円、義経は母親も同じ同母兄弟よ
ひとみん
義経のお兄さん二人は寺に入れられたって聞いたことあるけど、その二人が全成と義円なんだね
因みに物語で有名な母の常盤御前と平清盛の男女関係のお話は最新の研究では否定されています。
義経は牛若丸と呼ばれますが、3兄弟はそれぞれ幼名が今若、乙若、牛若です。以下、ネタバレ有りの人物紹介です。
全成
幼名は今若。平治の乱の後、助命の代わりに醍醐寺にて出家させられる。以仁王の令旨のタイミングで寺を抜け出して東国に下る。頼朝生存時にほぼ記録は無い。政子と義時の妹阿波局(宮澤エマ)と結婚。阿波局は実朝の乳母となる。この姻戚関係で、頼朝没後は、北条陣営、実朝擁立派となる。派閥抗争の結果、武田信義(八嶋智人)の息子武田信光に捕らえられて、八田知家(市原隼人)に殺害される
義円
幼名は乙若。平治の乱の後、園城寺にて出家。頼朝のもとにいて、武術や孫子の才能を頼朝や政子に愛であられる。御家人の評判も良かった。源行家(杉本哲太)が尾張で挙兵する際に誘われる。義円を目障りに感じた義経(菅田将暉)の奸計もあり、鎌倉から離れて尾張の行家軍に参陣。美濃の墨俣川の戦いにて討ち死にする
地理的に不利だった甲斐源氏:武田氏
円城寺
地理的に平家の勢力と頼朝の勢力に挟まれて、立場が弱かったんですね
でも武田信義は、まだまだ、腹に一物ありそうで敵は平家だが頼朝も”ライバル”。源氏の棟梁の座を争う号砲が鳴った状態でもあった
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次回:アサシン善児再び
アサシン善児vs山本耕史:三浦義村
円城寺
善児をとめようと颯爽と現れるのが、三浦義村(山本耕史)。さて、三浦義村はアサシン善児を止められるのか?!
見どころ1:善児vs三浦義村
富士川の戦い
オペレーター
そして平家と頼朝が直接相まみえる歴史上名高い、「富士川の戦い」が描かれます
【考察】アニメ「平家物語」6話 「都遷り」ネタバレ感想レビュー テレビアニメ「平家物語」第6話「都遷り」の考察です。今回は、平家物語の五巻部分、福原遷都から、富士川の戦いまでが描かれています。平家物語は悲劇ですが、あまりヘビーにならないように適度にコミカルさを加えています。また、前話でやり過ぎ感があった維盛や徳子の描写ですが、原作や史実から離れ過ぎないようになっています。また、清盛が主義主張をする機会があり、よりフェアになってます。...
見どころ2:富士川の戦い
頼朝と義経
見どころ3:義経との対面