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鎌倉殿の13人

考察【鎌倉殿の13人】36話 「武士の鑑」 感想

畠山重忠の乱
オペレーター
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NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第36話「武士の鑑」の予習と36話のネタバレ解説です

史料に基づく「畠山重忠の乱」と乱後の畠山氏のその後、室町幕府の三管領・畠山家との関係を解説。そして新たな登場人物、三浦胤義と長沼宗政のネタバレ解説です

ひとみん
ひとみん
今回の展開は結構エグイ展開だったけど、政子と足立遠元のやり取りとかユーモアを交えながらあまり重くなり過ぎないようにしていた印象

武士の鑑:畠山重忠の乱

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乱の背景

オペレーター
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32話の考察でご紹介した通り「畠山重忠の乱」の背景には、武蔵国の権益を巡る確執がありました

32話の「北条政範と平賀朝雅」の項

鎌倉殿の13人タイトル
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鎌倉に隣接する武蔵国で強大な勢力を誇っていた比企氏。その比企氏が「比企能員の乱」で滅亡し、武蔵国に大きな権力の空白が出来ます。代々留守所惣検校職として、武士団を統括する秩父一族を代表する畠山氏と、武蔵守である平賀朝雅を後見する北条氏による武蔵国支配を巡る確執

ドロシー
ドロシー
つまり現地の顔役と、新参のよそ者の争いね
ひとみん
ひとみん
留守所惣検校職って?

29話の「武蔵留守所惣検校職」の項でも触れましたが、もう少し詳細に説明すると、”留守所”とは、律令制における国司が不在の国府という意味です。惣検校職はその国司不在の国府の役人を統べる役割です。元々は、朝廷の国司が都にいて留守にしていたので、武蔵国では国司の代わりに強い権力があったのですが、武家政権になって、武蔵守を将軍が任命するようになり、権力の競合が起こったと考えられます。

因みに、武蔵国の国府は現在の府中市にあり、隣接する国分寺市には畠山重忠所縁の地として”恋ヶ窪”という地名があります

乱の契機

乱の契機となったのは平賀朝雅と畠山重保の口論です

円城寺
円城寺
「鎌倉殿の13人」では、その口論の原因が、平賀朝雅による北条政範毒殺とされました

但し、史料と「鎌倉殿の13人」では、順番が逆になっています。

<鎌倉殿の13人>

北条政範が亡くなった翌日に平賀朝雅と畠山重保が口論

<史料>

平賀朝雅と畠山重保が口論した翌日に北条政範が亡くなる

円城寺
円城寺
なるほど。その違いに目を瞑ったシナリオと言う事ですね

由比ヶ浜の戦い

謀反の濡れ衣を着せられていると知らない、畠山重保は同じ秩父平氏の稲毛重成に招かれて鎌倉にいた。そして由比ヶ浜に誘い出されて、三浦義村の手勢に討たれる。

畠山重保は北条時政の外孫にあたるが、りく(宮沢りえ)との血縁関係は無かった。

円城寺
円城寺
「鎌倉殿の13人」では、北条時政は畠山重保を生け捕りにして、畠山重忠に屈服を迫るつもりだった、という設定でした

しかし、畠山重保が激しく抵抗したため、已む無く討ち取る事になった

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二俣川の戦い

【史料】

北条時政は、重忠を討つために「鎌倉に異変あり、至急参上されたし」と偽りの手紙を重忠に送り、鎌倉に呼び寄せる。畠山重忠は急ぎ手勢130~140騎ほどで駆け付けようとする。この時、畠山勢は信州や奥州に行っていて兵は少なかった。一方、幕府側は総大将を北条義時にして大軍の追討軍を編成していた。畠山重忠は、武蔵と相模の境にある二俣川で追討軍と出会い、重保が討ち取られている事、自分に謀反の疑いがあり、追討軍が差し向けられている事を初めて知る。畠山重忠は退かずに潔く戦う事が武士の本懐と考えて、大軍に戦いを挑んで散る。

畠山勢が小勢だったために、流石に御家人たちから「謀略による騙し討ちではないか」という疑惑の声があがり、生贄が誅殺されます。

稲毛重成父子、榛谷重朝父子が讒言で畠山重忠を陥れたとして三浦義村に誅殺される

ドロシー
ドロシー
また三浦義村よね

この後(牧氏事件)でも、中心的役割を演じますが、それはいずれまた。

結果的に武蔵国では、畠山氏、稲毛氏、榛谷氏など地元の有力勢力は排除されて幕府の直接支配を受けるようになる。尚、乱後の恩賞は北条政子からなされ、武蔵守には北条時房が任官する

【「鎌倉殿の13人」】

畠山重忠が鎌倉を目指したのは義時が話し合いの為に呼んだ、という設定でした。また、稲毛重成が讒言の罪を着せられて殺害されたのは、御家人たちの憎しみを時政に向けるために義時が仕組んだことという設定でした

ドロシー
ドロシー
稲毛重成って言うと、25話の橋供養の気のいいおじさんよね
鎌倉殿の13人タイトル
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あの頃、北条一門で仲良く丸餅を作っていたのが、遠い昔のようです。

円城寺
円城寺
畠山重忠も稲毛重成もいましたね
ひとみん
ひとみん
畠山重忠はナレ死?

ナレーションも無かったですね。畠山重忠の最期の様子を入れると、理不尽さが露になり過ぎて重くなりすぎるという判断でしょうね

ドロシー
ドロシー
この辺りは賛否が分かれそうね。あくまでシビアにして欲しい人と、お茶の間だからあまり悲惨な描写はして欲しくない人と

畠山重忠の最期が無かったのは賛否分かれそうです

円城寺
円城寺
政子が恩賞を差配した事態の理由付けもなされましたね

実権を時政から政子に遷す為に義時が企てた

三浦胤義

円城寺
円城寺
今回、ネームドの新たな登場人物が2名いるので、それぞれご紹介しますね。まずは三浦胤義です
三浦胤義

三浦義澄(佐藤B作)の末子(九男)。つまり三浦義村の弟。正室は、源頼家の元側室で、頼家の息子・禅暁の義理の父親になる

禅暁は公暁の兄弟で、実朝暗殺事件で共謀の嫌疑を受けます(但し、この時禅暁は京にいて共謀の可能性は乏しい)

風雅
風雅
三浦胤義は禅暁の助命に動きますが、この結末が新たなドラマを生む事になります

長沼宗政

長沼宗政

小山政光の子。弟に結城朝光がいる

円城寺
円城寺
結城朝光は、梶原景時の変で登場した御家人ですね

長沼宗政は、後に畠山重忠の末子の謀反騒動で重要な役割を演じます

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乱後の畠山氏

重忠の子供たち

長庶子の重秀は二俣川で自刃。重保は由比ヶ浜で討死。他の子供たちは不明な事も多いですが、末子の重慶は8年後謀反を企てたとして討ち取られます。

オペレーター
オペレーター
この時も、将軍の源実朝は長沼宗政に生け捕りを命じましたが、長沼宗政が勝手に首をとりました
ドロシー
ドロシー
本当に長沼宗政が勝手にやったのかな?
円城寺
円城寺
義時が長沼宗政に「禍根を絶て」って命じていたりして

その可能性は十分ありそうですね

源姓畠山氏

ひとみん
ひとみん
乱後の畠山氏はどうなったの?

本領以外の所領は北条氏に横領されます。武蔵国留守所惣検校職は、義経の叛乱以前に職にあった河越氏に戻されます。但し、武蔵守が直ぐ近く(鎌倉)にいるために、実質権限はなくなります(留守とはいえなくなるため)。本領は、畠山重忠室であった、北条時政の娘ちえの再婚相手である足利義純が継承します。そして、二人の間に出来た子泰国が畠山氏を継承し、畠山泰国と名乗ります

円城寺
円城寺
畠山泰国は名前から分る通り、北条泰時から偏諱を受け、さらに泰時の娘を室に迎えるなど北条氏との結びつきが強く、鎌倉時代はかなり優遇されますね

そして、この乱後の畠山氏は、「源姓畠山氏」と呼ばれて、それ以前の「平姓畠山氏」とは区別されます。

ドロシー
ドロシー
畠山重忠の時代の畠山氏は姓は平氏だったわけね

姓:血筋・血統・先祖によるもの

苗字:主に住んでいる地域によるもの(稀に伊賀氏などそれ以外の由来もある)

円城寺
円城寺
この「源姓畠山氏」は室町時代には三管領の一家としてさらなる名門へと発展します
ひとみん
ひとみん
教科書にのっていた!

三管領(斯波、畠山、細川)四職(山名、赤松、一色、京極)ですね。

ドロシー
ドロシー
北条氏は足利氏に滅ぼされるから、因果応報よね

オンベレブンビンバ

サブタイトル

オペレーター
オペレーター
次回は、「牧氏事件」が描かれると思われますが、サブタイトルが話題です
円城寺
円城寺
オンベレブンビンバ?可愛い子の影ですかね

時政・りくにとっての政範の面影か

義時にとっての泰時と政村か

ドロシー
ドロシー
そういえば、のえ(後の伊賀の方)が身籠っている描写があったわね

或いは、次回初登場する、阿野時元(阿野全成と実衣の息子)か。

円城寺
円城寺
親子関係がキーになりそうって事ですかね

北条政子の嘆き

或いは政子にとっての実朝か。

ドロシー
ドロシー
政子の嘆きが聞こえそうね

父上(時政)も、小四郎(義時)も、どうして、野心家のどうしようもない女を最後の妻にするのかしら(by政子の嘆き)

 

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