りんくう
風雅なオフタイム
オフタイムをエンジョイする大人の為のブログ
鎌倉殿の13人

考察【鎌倉殿の13人】16回 「伝説の幕開け」

伝説の幕開け
オペレーター
オペレーター
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第16話、「伝説の幕開け」のネタバレ解説です

15回「足固めの儀式」は、史実にある上総広常粛清事件を用いて、頼朝の非情さ、マキャベリストぶりを視聴者に印象付けた見事なエピソードでした。

ひとみん
ひとみん
あまりの徳の無さに、存命中はいいけど、頼朝の死後、頼朝の子孫が子供の代で絶えても仕方ないと思わせる
頼朝の徳の無さを強調する事で、北条氏や北条義時が正当化される?

今回の16回は、奇跡的とも言える史上有名な義経の天才的な軍略について、三谷幸喜流の謎解きが為されます。

ドロシー
ドロシー
奇跡にはウラがあって、その不思議を読み解くってわけね
円城寺
円城寺
サブタイトルからは源義経が歴史の表舞台に登場して、華々しく活躍するイメージが待たれますね。では、16話の主なエピソードです

北条時政が鎌倉に呼び戻される

木曽義仲追討軍の出陣

宇治川の戦い、粟津の戦い

一の谷の戦い

北条時政の復帰

御家人と頼朝を結ぶもの

頼朝は、産まれた義時の嫡男に「金剛」という名を付けるとともに、伊豆に引き上げた北条時政を呼び戻す。

円城寺
円城寺
御家人筆頭だった上総広常が粛清されて、その空白を埋める意味がありますね
頼朝の狙い

鎌倉殿と御家人の間をつなぐ”かすがい”の役割を期待

時政の狙い

上総広常亡き後の、権力の空白を利用して鎌倉政権中枢でのポジションを確保する

ドロシー
ドロシー
頼朝にとっても、時政にとってもメリットがあったWINーWINよね

比企能員と北条時政

オペレーター
オペレーター
時政は義時に、源氏に取り入る事を宣言します
ひとみん
ひとみん
13回の比企能員とデジャブ
円城寺
円城寺
そうですね。北条時政と比企能員が同じことを考えていて、共存できない関係性になる事が示唆されましたね

北条時政も比企能員と同じく、「源氏に取り入る」事を目標にする。両氏は競合関係となり、先々相容れなくなる

木曽義仲追討軍出陣!

鎌倉を足固めした頼朝は、遂に大軍を遠征させる事に成功する。「木曽義仲追討軍」である。総大将は源範頼、軍奉行は梶原景時、義時も追討軍に加わる。

ドロシー
ドロシー
頼朝は富士川の戦いで西進出来なかった。それから足掛け5年?ようやく頼朝の念願が叶ったって感じかな

スポンサーリンク

宇治川の戦い

宇治川の戦いⒸCopyright NHK

木曽義仲の現況

半年前に数万騎で入洛した義仲軍でしたが、後白河法皇との決裂や、水島の戦いでの敗戦が影響して、宇治川に鎌倉軍を迎え撃つ時点では、従う軍勢は千騎ほどだったと伝えられています。

  • 1183年7月
    入洛
    義仲が数万騎を率いて入洛
  • 1183年8~9月
    皇位継承問題
    北陸宮の即位を主張して後白河法皇と対立する
  • 1183年10月
    寿永二年十月宣旨
    朝廷が頼朝による東国支配権を公認
  • 1183年閏10月
    水島の戦い
    義仲軍、平氏軍に惨敗。
  • 1183年11月
    法住寺合戦
    源義経軍が布和の関に到着。追い詰められた義仲は、後白河法皇が籠る法住寺殿を襲撃。数にまさる法皇側の軍勢に圧勝する。後白河法皇を幽閉
  • 1183年12月
    頼朝追討
    源頼朝追討の院庁下文を発給させる

義経の偽計その1:ニセ情報

義仲は軍勢の少なさから戦を避けて、後白河法皇らを奉じて北陸へ逃走するつもりでいたが、鎌倉側は、飢饉によって大軍を動員できずに義経の兵も千騎ほどという情報が入ってきたため、北陸行を中止して迎え撃つ判断をする

円城寺
円城寺
これは当時の一級史料「玉葉」に書かれている内容ですが、この記述を義経の策である、というのは三谷幸喜の創作ですね
風雅
風雅
玉葉などの史料に書かれてある内容を上手く利用していますね

義経の策によりまんまとはまり、鎌倉側が圧倒的に優位な戦場に誘い出される義仲

義経の偽計その2:宇治川の先陣争い

義経軍の多さに騙された事を悟った義仲は、鎌倉軍の行軍を妨害するために橋を落として、戦線を離脱しようとするが、ここでも義経の偽計の策が出る。

史上名高い、佐々木高綱と梶原景季の「宇治川の先陣争い」。これが木曽義仲の注意を惹きつける策であった。木曽義仲軍が先陣争いに気を取られているうちに畠山重忠など鎌倉軍が川を渡る。木曽義仲軍は壊滅的な打撃を受ける。

その後、粟津方面に逃亡するも待ち構えていた源範頼軍に討ちとられる。

円城寺
円城寺
源範頼軍には、武田信義の嫡男一条忠頼もいました。木曽義仲はこの一条忠頼に大敗して、わずか5騎になり源範頼軍に討たれます。一条忠頼に戦功があった事実は次回に関係してきます

一ノ谷の戦い

一ノ谷の戦いⒸCopyright NHK

義経の偽計その3:ニセの和議

西国を流浪していた平家ですが、この時点では瀬戸内海掌握。九州、四国、中国地方を中心に数万の軍勢を動員できるまでに立て直していて、福原(現在の神戸)に軍勢を進めて京の奪還を視野に入れていた。

福原は平家が本拠にしていた土地であり、本来なら地の利は平家にある。この不利な状況を打ち破る奇策が、ニセの和議である。義経は後白河法皇に平家に対して和議を命じるように要請する。これは騙し討ちである。

円城寺
円城寺
これも一部の史料にあるのですね

源義経は国民的人気者なので、従来、こういったネガティブな情報は無視されがちですが、三谷幸喜は容赦なく拾い上げていますね。

義経の軍略

義経は梶原景時の策を「誰にでも思いつく策」と一蹴して、寧ろ三草山に夜討ちを掛けて、「山からも攻められる」と平家に思わせ軍を分散させる策を提案する。そのうえで、相手の予想外の場所から攻めるという策を披露する。

梶原景時は内心の口惜しさを押し殺して、義経の策を肯定する。

梶原景時の心境を推察

嫉妬はあっても全体の利を考えれば義経の策を採用するのがいい

風雅
風雅
ただ、この時点で大江広元が上総広常を警戒したのと同じ、想いが梶原景時に芽生えた可能性はありますね

天に選ばれた人間は二人はいらない!(by梶原景時)

(出典:wikipedia「一ノ谷の戦い」

吾妻鏡では、畠山重忠は源範頼軍に加わっていますが、ドラマでは義経軍に加わっている事になっています。

夢野口を落としたのは、安田義定(甲斐源氏)と言う説と、多田行綱(摂津源氏)という二つの説があります。

ひとみん
ひとみん
平家側から見た一ノ谷の戦いはこちら
【考察】アニメ「平家物語」9話 「平家流るる」ネタバレ感想レビュー テレビアニメ「平家物語」第9話「平家流るる」の考察です。絵コンテ&演出が呪術廻戦の2話・9話と同じ竹下良平です。呪術廻戦制作時の人脈が活かされたのか、呪術廻戦2話・9話・17話などの総作画監督小磯沙矢香も原画で参加しています。京アニ的な魅力とMAPPA的な魅力がミックスされたエピソードとなってます。ストーリーは、平家の流浪から木曾義仲の破滅、一の谷の戦いまでです。原作の巻の八~巻の九とかなりの分量が、この9話で消化されました。歴史的な背景や省略されている出来事などを補足しながらレビューします。...

信長で有名な敦盛の最期も詳しく描かれます

人間五十年、下天のうちを比べれば夢幻の如くなり。一度生を享け、滅せぬもののあるべきか (幸若舞「敦盛」)

次回以降の展望

源氏の粛清

オペレーター
オペレーター
今回の戦で戦功のあった源氏の武将が頼朝によって次々に粛清されます

一条忠頼(甲斐源氏)、源義経、多田行綱(摂津源氏)、安田義定(甲斐源氏)、源範頼・・・。

円城寺
円城寺
次回は一条忠頼(甲斐源氏)が誅殺されますね

源義高

大姫が短刀を自分に突きつけて、義高の命乞いをする。頼朝の判断は如何に?!

そして、より悲劇的な最期を迎える藤内光澄。北条義時の更なる試練となる。

ひとみん
ひとみん
藤内光澄って誰?
円城寺
円城寺
さあ、誰でしょう?次回を楽しみにしましょうね

 

 

ABOUT ME
風雅クラブ
日本のポップカルチャーを風雅に楽しみたいクラブです。