長澤まさみの出演で沸いた３９話。サブタイトルとは違い不穏な災いの種が散りばめられたエピソードとなりました
義時と実朝の対立
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鶴丸は平盛綱
諸説あった鶴丸ですが、平盛綱であることが明らかになりました
中世では系譜を偽る事は珍しくありませんからね
御家人は鎌倉殿の直接の配下。家人は陪臣（家臣の家臣）になります。「鎌倉殿の１３人」では感情的になり拒絶する実朝を義時が脅迫しました。
通説では義時は実朝の反対により、御家人にする要求を断念した事になっています
義時は「それならば」と実力行使に出ます。平盛綱を北条家の家人の身分のまま御家人を統制する侍所の所司（次官）につけました。侍所の別当（長官）は、執権なので、自らの家人を事実上、多くの御家人の上にした事になります。
但し、これは北条家の首を自らしめる事になります。身分に因らず実権があるものが上に立つ先例となり、平盛綱が内管領（北条家の家人筆頭）という地位を作り、鎌倉時代末期には北条家よりも上の立場を築く事を招いてしまいます
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対立は実朝暗殺事件の伏線になる？ならない？
これをもって、義時が実朝暗殺事件の黒幕とするのは早計だと思います。実朝暗殺事件では、義時自身の命も狙われている節があるからです
そのケースでも、実朝暗殺事件の黒幕が義時殺害を狙っているのが前提になるので、「義時黒幕説」は採用し辛いでしょう。
義時として、その場にいたなら、『愚管抄』説が採用されるという事でしょう
実朝の命令で義時は八幡宮の中門にとどまる
側に居ながら将軍暗殺を防げなかった失態を隠すため、『吾妻鏡』において邸宅に居たという曲筆をしたと推察されています
昔の大河ドラマ「草燃える」では、三浦義村が実朝と義時の謀殺を狙った黒幕として描かれました
実朝に取り入る源仲章
一方、義時の代わりに暗殺される源仲章が実朝に取り入ろうとする姿も強調されました
結果がわかっている現在からみると、鎌倉が朝廷を圧倒しているイメージを持ってしまいますが、武家政権と言うのは出来たばかりで、鎌倉の勢力が確定しているのも、東日本に限られました。京の周辺や西日本はまだまだ朝廷の権勢も強いものがある状態です
鎌倉で朝廷の影響を強めようと暗躍する源仲章。実朝はその動きに取り込まれるのか？
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義時と御家人の対立
守護の任期制？
これも通説では義時が撤回した事になっています
土着化、既得権益化を防ぐ事だと思われます。守護と言うのは幕府の役職で、領地を与えたわけでは無いという建前です。つまり、あくまで幕府の代行として軍事権・警察権を執行しているに過ぎないので、権力の私物化が始まる前に２年の任期で交代しましょうという制度ですね
そうですね。実はこの後、泰時の代でも守護の扱いは幕府の課題になります。御成敗式目で守護の権限を警察・軍事権に限定しようとする幕府と、地頭や国府の役人を自分の家来にする事で、実質支配を進めていこうとする守護とのせめぎ合いになります
上総介
和田義盛が実朝に上総介をねだりますが、義時が却下します
この政子の言葉は、プロ野球球団を持つどっかの電鉄会社の会長に聴かせたい言葉ですね
望みを却下された和田義盛が捨て台詞を残して去ります
上総広常のケースを思い起こしますね。この流れを見ると、泉重衡の乱における、和田義盛黒幕説は無くなりましたかね。和田義盛はお人好しで義時の度重なる挑発が乱の契機になる流れでしょうか。
其れも無いと思います。泉重衡は頼家の遺児、千寿丸を擁立して、義時追討を訴えるので、自分が殺害した頼家の遺児を擁立したり、自分を追討する陰謀を企てるのは荒唐無稽な感じがしますね。
この時は祖母の政子が助命しますが、１年後に京で謀反に担ぎ上げられて自刃したと記録されています。
愚管抄も同様の記載なので、ウソはないでしょう
政村と朝時
北条政村
のえ（伊賀の方）の産んだ男子ですね。のえ（伊賀の方）は、今後、政村を北条家の跡取りにすべく暗躍する事になるのでしょうか。政村は名前から分る通り、三浦義村から偏諱をもらいます。
そうでうすね。ここまで、泰時・朝時・重時と全員”時”を継ぐものでした。
北条朝時
そして一時、嫡男であったとされる比奈の息子の北条朝時（ともとき）です。
実朝から偏諱を貰っているので、”ともとき”です。
北条朝時の子孫は名越（時政が住んでいた場所）を名乗り、北条一門では非主流派となります
穏やかな一日
公暁
穏やかな一日として、公暁と実朝の交わりが描かれました
ポイントは、
- 公暁が実朝の猶子になった事
- 公暁の未来が鶴岡八幡宮の別当に決められた事
- 実朝に子供が出来ない事がハッキリした事
其れとは別に、公暁からすると実朝の猶子になった事で、実朝に実子が出来なければ自分の出番だという期待を持たせてしまう事にもなりました
猶子になり、実朝に後継ぎが出来ない事で、実朝の後継ぎとしての期待を持つ公暁
大海（おほうみ）の磯も
大海（おほうみ）の磯もとどろによする波われてくだけて裂けて散るかも
われて、砕けて、裂けて、散る
ただ、この和歌の本歌は恋の歌です
伊勢の海の 磯もとどろに 寄する波 畏き人に 恋ひわたるかも
罠と罠
そして、いずれいなくなる
大江広元のつぶやきですね
泉親衡の乱が、和田合戦の引き金になります。
泉親衡の乱に加担した和田一族に対する北条義時の仕打ちが、和田義盛への挑発というのは定説ですが、義時側も挑発しておきながら、危ない所まで追いつめられます。
無数の和田義盛
泉親衡の乱が何者かの罠。それを利用してまた罠を仕掛けるものがいる、と言う事でしょうか
和田一族総出のようですね。三男の朝比奈義秀は、巴御前の子供説もありますが、それは採用しないようですね
