オペレーター
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第14話、「都の義仲」のネタバレ解説です
円城寺
今回、サブタイトルにも有る通り、木曽義仲の栄光と挫折が描かれるのですが、その裏で鎌倉で発生した大きな事件の予兆も描かれました
【14話の二大テーマ】
大江広元の描く上総広常謀殺のシナリオが遂に発動
木曽義仲の栄光と挫折の予兆
ドロシー
大姫の満面の笑顔を見ると、今後の展開がわかるだけに胸が痛いわ
大江広元の奸計
気になる事、遂に回収
大江広元が12話の最後で述べた伏線が遂に回収に入る!
ネタバレ解説【鎌倉殿の13人】12話考察 ”気になった”のは何かNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第12話、「亀の前事件」のネタバレ解説です。コミカルな展開の12話の中で、柔和な表情と人当たりの良さの中に冷徹さを漂わせる大江広元が気になったエピソードでしたね。大江広元が最後に「一つ気になった」と言った事を中心に考察します。...
初期の段階では頼朝を支える最大の軍事力であった上総広常も、正式な東国行政権を得た後では、寧ろ不安定要素となり、かえって脅威となり得る。また、個人の軍事力に支えられると鎌倉殿としての権力も確立しがたく、御家人たちに侮られる元となる。
鎌倉安泰計画
最大の軍事力を保持する上総広常は脅威となり得るので排除する
それに伴い、鎌倉殿と御家人の主従関係を強化する(緊張感を持って奉公させる)
円城寺
つまり、「寿永二年十月宣旨」を得たタイミングで処理するつもりだったのですね
謎の多い上総広常誅殺
オペレーター
上総広常が誅殺された理由は諸説ありますが、主なものは以下の二つです
- 東国独立論を主張して、朝廷との協調路線を採る頼朝と対立したため
- 木曾義仲が擁している北陸宮(以仁王の遺児)推戴しようとして、「親義仲」と頼朝に疑われた為
一つ目の理由は、『愚管抄』に書かれている、頼朝が後白河法皇に述べた、上総広常を誅殺した理由。但し、この理由で対立していたのは1181年までで、1182年になると上総広常と頼朝の関係は改善されていたという説もある。
円城寺
ドラマでも上総広常は、表立って頼朝と対立しなくなってますね
ドロシー
上総広常も鎌倉にいる間に段々分別が付いているって感じだわ
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大江広元のシナリオ
オペレーター
ドラマでは、史実で上総広常謀殺の理由と挙げられているモノは大江広元の奸計によるもので、上総広常は頼朝と対立する意志は無かった、という展開の様です
大江広元が描く上総広常謀殺シナリオ
- 木曽義仲と結託しようとする御家人たちのクーデターを潰すため、上総広常に偽装でクーデターに加担させる
- 御家人たちのクーデターを潰した後、上総広常が本当にクーデターに加担したと言いがかりをつけて、誅殺する
ひとみん
クーデーターを潰すためという理由で、協力要請して偽りの加担をさせておいて、クーデターに加担した事を理由に誅するとはスゴイ悪だくみ
ドロシー
で、北条義時はウラの計画を知らずに大江広元に使われる訳ね
栗原英雄だから真田丸の真田信尹みたい
オペレーター
大江広元を演じる栗原英雄は、三谷幸喜脚本の大河ドラマ「真田丸」で真田信尹を演じました
「真田丸」での真田信尹は、調略の過程で春日信達を奸計に嵌めて、謀殺します。それまで真田幸村は真田信尹の調略の見事さに憧れて「あなたのようになりたい」と、言っていましたが、信尹は「ワシのようになるな」と言います。謀殺の瞬間、目を剥いて驚き、呆然とする幸村は言葉の意味を知ります。
円城寺
では、何も知らずに大江広元の謀殺を手伝わされた北条義時もその瞬間は真田幸村(堺雅人)のように目を剥くんでしょうかね。次回の小栗旬の演技に注目ですね
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木曽義仲挫折の理由
旭将軍
オペレーター
嫡男の義高を鎌倉に人質に差し出し、後顧の憂いを無くした木曽義仲は、俱利伽羅峠で平家の大軍を破りそのまま入京しました
詳しくはこちらに記載しています
【考察】アニメ「平家物語」8話 「都落ち」ネタバレ感想レビュー テレビアニメ「平家物語」第8話「都落ち」の考察です。清盛没後から、平家の都落ちまでが描かれました。北条政子が登場。木曾義仲も本格的に登場。また、ラストには謎の少女が登場します。平家を追い出されたびわの動向と、源平の争乱が並行して描かれますが、歴史的な推移を捕捉しながらレビューしたいと思います。...
すごい勢いでまさに昇る旭が如く時の人になります
円城寺
正反対に平家は都落ちしていきます。ただ、義仲も京を保ったのは半年ほどですね
公家社会・朝廷との対立
オペレーター
ドラマで描かれたのは木曽義仲が公家社会のしきたりや作法、朝廷の事などに疎くてなのも知らない田舎侍である為に後白河法皇に疎んじられる姿でした
実際に木曽義仲は武蔵(現在の埼玉県)生まれの信濃(現在の長野県)育ちで、都に関する知見も、人脈も無かった。この点、はるか以前13歳で右兵衛権佐に任官し、流刑以降も在京の三善康信から京都の情報を得ていた頼朝とは立場が随分異なる。
風雅
背景としての生まれ育ちの文化の違い、それに伴う人脈の違いが大きいうえに、決定的になったのは皇位継承問題への介入だったと思われます
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以仁王の評価
東国武士にとっては、以仁王は平家打倒のきっかけを作った功労者であるが、朝廷(後白河法皇)にとっては、自分の決めた天皇(高倉天皇)に異を唱え、その座を狙う簒奪者であった。
朝廷
以仁王は治天が決めた皇位を簒奪しようとした刑人
円城寺
この認識の違いが以仁王の遺児である北陸宮を擁する木曽義仲に対する評価に決定的な悪影響を与えたわけですね
頼朝は朝廷側の以仁王に対する認識は知っていたようで、以仁王の令旨や北陸宮に頼るのではなく、寿永二年十月宣旨により、後ろ盾となる権威を得ることに成功する。
風雅
この辺りの朝廷対策の立ち回りの上手さは、ブレーンの質もあって頼朝が一枚上手ですよね
水島の戦いでの敗戦
オペレーター
木曾義仲は、都から追い落とした平家と水島で戦い敗れます
「水島の戦い」の詳細はこちらです
【考察】アニメ「平家物語」9話 「平家流るる」ネタバレ感想レビュー テレビアニメ「平家物語」第9話「平家流るる」の考察です。絵コンテ&演出が呪術廻戦の2話・9話と同じ竹下良平です。呪術廻戦制作時の人脈が活かされたのか、呪術廻戦2話・9話・17話などの総作画監督小磯沙矢香も原画で参加しています。京アニ的な魅力とMAPPA的な魅力がミックスされたエピソードとなってます。ストーリーは、平家の流浪から木曾義仲の破滅、一の谷の戦いまでです。原作の巻の八~巻の九とかなりの分量が、この9話で消化されました。歴史的な背景や省略されている出来事などを補足しながらレビューします。...
この敗戦で、勢いだけで味方についていた寄せ集めの兵力が離れて後白河法皇側に付くようになる。
風雅
元々累代の家臣や兵力が多いわけでは無いので、評判を落とした上に、戦に負けて強さに疑問符が付けば、”にわか”は離れていきます
義仲没落の要因
都・朝廷・公家社会の情報に疎く、以仁王に拘った
にわか家臣団の統制を軽視した
水島の戦いで平家に敗れた
源義経の不吉な前兆
直接語り合う事は無い
- もう頼朝と直接語り合う事は無いフラグ
- 頼朝の矢を弾き飛ばしてしまうフラグ
ドロシー
今みたいにスマホとか有る訳じゃないしね。コミュニケーション不足になってしまうわ
たった千騎で出陣
風雅
義経は僅か千騎で出陣しますが、対源義仲戦では、この兵力の少なさを、活かした謀略を策します
義経の伏線
少ない兵力で出陣
頼朝との直接の対話はこれが最後
頼朝の矢を弾き飛ばしてしまう
円城寺
このドラマではその手の事では気を悪くしないと思いますよ